さて、今回のテーマは、「5A」です。
5Aは、マーケティングの神様フィリップ・コトラー博士が、
自著「コトラーのマーケティグ4.0」で提唱している購買プロセスです。
購買プロセスも今では、さまざまなモデルが提唱されています。
このメルマガでも、AISASやDECAXなどたくさんご紹介してきました。
今回の5Aもそれらに近いモデルですが、
最後の「A=Advocate(推奨)」が特徴的です。
コトラー博士は、マーケティングの究極の目標を、製品の「認知」から「購入」を超えて「推奨」まで進ませることだとの持論をこのモデルに組み込みました。
この「推奨」まで進ませるべきであるとの考え方は、
医薬品マーケティングでも応用できると思います。
では、具体的に5Aをご紹介します。
伝統的な購買プロセスは、「AIDMA」(注目→興味→欲求→記憶→行動)や
デレク・ラッカーが提唱した「4A」(認知→態度→行動→再行動)です。
コトラー博士の5Aは、4Aを修正したもので、
認知(Aware)→訴求(Appeal)→調査(Ask)
→行動(Act)→推奨(Advocate)
の5つとしました。
このモデルは、AISASに近い考え方で、
ソーシャルメディアやデジタルを強く意識したものです。
AISASは、
注意(Attention)→関心(Interest)→検索(Search)
→購買(Action)→情報共有(Share)
で、最後が「情報共有(Share)」ですが、
5Aモデルの最後は「推奨(Advocate)」なので、
よりこの部分に力を込められているようです。
コトラー博士は、この5Aのプロセス1つ1つで顧客の行動、
タッチポイントを考えてマーケティング・コミュニケーションを
最適化すべきと提唱していますが、まさにその通りです。
医薬品マーケティングの場合なら、タッチポイントは
MR、学会、医学雑誌・文献(専門誌及び商業誌)、紙資材全般、
講演会などの会合などリアルな場と自社ウェブサイト、
m3やケアネットなど医学系ウェブメディアを見るPC、スマホ
などがあります。
このタッチポイントごとに5Aのプロセスで
どんな施策を打てば良いか考えれば、
医薬品マーケティングコミュニケーションの戦略が出来上がりますね。
このコンテンツが、医薬品マーケティングのアイデアのヒントになれば幸いです。