DTCマーケティングの疾患啓発。アクセス後のセグメントを考える!

さて、DTCマーケティングでコンテンツマーケティングについて、昨年来、様々な観点から考察しています。

前回は、DTCマーケティングのプラットフォームである「患者さん向け疾患啓発サイト」のコンテンツの構造と上位表示を狙うキーワードの関係について整理しました。

今回から、シリーズで潜在患者さんのアクセス後の受診促進の方法を継続的な「啓発」の観点から考えてみたいと思います。

第1回目は、潜在患者さんのセグメンテーションです。

例えば、便秘でOTC薬を飲んでいても、今ひとつ効果がないと感じている方が、「便秘 改善」で検索して、自社の疾患啓発サイトにアクセスしたとします。この方は、OTC薬で調子がよい時もあれば、そうでない時もあります。

さて、この方は、病院やクリニックをそのサイトで探して、すぐに受診するでしょうか?

おそらく受診するまでに至らないのではないでしょうか?

ここで、潜在患者さんを考えるポイントは、「受診行動へのニーズ」という観点からのセグメンテーションです。

簡単なケースで言えば、インフルエンザにかかって高熱の場合、「受診」のために啓発はまったく不要です。

自分が苦しんでいるので、何もしなくても、殆ど100%受診しますね。

一方、健康診断で、収縮期血圧が160mmHg、拡張期血圧が98mmHgで、自覚症状が全くないビジネスマン。

「ちょっとやばいかな?」と思っても、受診まではいかないケースが多いでしょう。

このように、疾患啓発のサイトのコンテンツが充実し、SEOで上位表示したとしても、その後の潜在患者さんのアクションは異なるのです。

そこで、大切なのは、セグメンテーションとその後のマインドに合わせた仕組みとコンテンツ設計です。

最初に想定すべきは、検索キーワード別に潜在患者さんをセグメンテーションしておくこと。

続いて、その患者さんと継続的なコンタクトができる仕組みとセグメント別コンテンツの配信です。

セグメンテーションは、大きく4つに分けることが可能です。

1) 今すぐ受診の潜在患者さん
2) お悩み中の潜在患者さん
3) そのうち受診の潜在患者さん
4) まだまだ大丈夫の潜在患者さん

1)のセグメントは、痛みや苦しみなど症状が顕在化している方です。

検索キーワードには、「疾患名+病院+地名」や「疾患名+症状」などが入ります。

また、ウェブサイトでの滞留時間もある程度長く、医療機関検索や治療に関するコンテンツだけを閲覧しています。

2)のセグメントも、1)ほど差し迫っていないものの、痛みや苦しみなど症状が顕在化している方です。

検索キーワードは1)と同じですが、閲覧行動が少し異なります。

ウェブサイトでの滞留時間は長いですが、検査、症状、治療など様々なコンテンツを回遊する傾向にあります。

3)のセグメントは、少し不安はあるものの、できれば受診したくない方が多いのです。

したがって、検索は、「疾患名+OTC薬名」「疾患名+くすり」「疾患名+検査」などのキーワードの場合が多いのです。

そして、また、何度か同じサイトに訪れる可能性も高いのです。

4)のセグメントは、自分自身では受診の必要性を感じていない、先ほど例に出したビジネスマンのような場合です。

健診やテレビなどから情報を得て、念のために検索するので、検索キーワードは、「疾患名」だけの場合が多いのです。

このように、疾患啓発ウェブサイトへのアクセスは、そのマインドの状態で潜在患者さんをセグメントすることが可能です。

そして、そのセグメントは、検索キーワードやウェブ上の閲覧行動で、ある程度推測可能なのです。

ここで大切なのは、それぞれのセグメントで、

●継続的にコンタクトを取れる状態を作る
●セグメント別のマインドに合った情報を提供する

ことです。

次回は、その点について考察してみます。この記事が、DTCマーケティングのお役に立てれば幸いです。