「顧客と語らえ! クイジング入門」 弘中 勝

「クイジング? 聞きなれない言葉だな」と思って、興味を惹かれて読んだ書籍です。この「クイジング」とは、著者の弘中勝氏が2004年の1月、世に出された言葉だそうです。

私の解釈ですが、「クイジング」とは、企業が統合的なマーケティングコミュニケーションの視点に則り、「クイズ」を用いて顧客と良質のコミュニケーションをはかる方法論です。

時々、企業のイベントものとしてのクイズの企画がありますが、「クイジング」とは単なる「イベント」的なものではなく、本書のタイトルにもあるとおり企業が「顧客と語らう」ための手段です。つまり、最初に「クイズありき」ではなく「顧客が必要とする、あるいは興味を引く有用な情報」を「クイズ」という手段を通して提供し、双方向にコミュニケーションを行っていくプロセスのようです。

製薬企業の皆さまにとっては、医薬品のコミュニケーション戦略で、このクイジングそのものを適応するかは別としても、自社製品のマーケティングを考える上で販売力・ブランド・PR力の向上を考えられる上で役に立つ書籍だと思います。特に、WEBサイトを利用した情報提供や、ドクターや患者さんとのコミュニティ作りを企画する場合には、ヒントや押さえておくべきポイントが多数あるのでお薦めできる一冊です。

また、本書は、このクイジングについての考え方や方法論が臨場感のあるストーリー仕立てで進行していきますので、読みやすい構成になっています。更に、「付録」として自社でもクイジングを企画、実践するための「クイジングシート」もありますので、一度、自社製品にあてはめて考えてみてはどうでしょうか?

私自身も自社や自社の提供するサービスについて、「クイジングシート」を活用して、この「クイジング」の考え方を実践したり、あるいは医薬品のコミュニケーション戦略の企画を考えてみたいと思います。

⇒ 「顧客と語らえ! クイジング入門」をamazonで購入する