「星のアカバール」 オグ・マンディーノ

「世界中で最も多くの読者を持つ自己啓発書作家」と呼ばれ、『地上最強の商人』の著者でもあるオグ・マンディーノの児童向け(?)書籍です。そのため場面設定は美しく、ストーリーはファンタジックです。気軽に読むことができますが、随所にオグ・マンディーノ哲学が散りばめてられています。

あらすじは、次のとおりです。北欧のラップランドという小さな村に生まれた少年トゥロは、将来を期待されていながら、ちょっとした不注意で事故を起こし、父を失ってしまいます。やがて、母も亡くなって、妹と二人で暮らすようになり、希望を失いかけていたところに、村が大雪にみまわれるという出来事がおこります。トゥロは、その危機を脱するために凧揚げをして、「星のアカバール」を地上に呼び寄せることになります。

物語は、児童図書らしく奇想天外ですが、アカバール登場以降の後半は、物語を通してオグ・マンディーノ哲学が語られていきます。

本文の1章を使ってまとめられている「クレデンダ」や本書から刺さった文章をいくつか挙げます。

・逆境は、わざわいではない。それは、祝福なのだ。天にあるもっとも明るい星々は、苦しい試練というきびしいテストをくぐりぬけてきた人たちだ。
・もしぜいたくな環境に生まれていたら、君は自分の努力で自分を強くしたり、いろいろなことを工夫するというすばらしい機会にめぐまれなかっただろう。必死になることが自分の能力を発揮する、たった一つの方法なんだよ。
・自分の、状況について、他人を責めてはいけない。あなたは自分の選択のみによって、現在の自分を作り出しているのだから。

気軽に読めますので、子供のときの純粋な気持ちに帰ってみたい時や、ちょっと心が疲れたときに読んでみてはどうでしょうか。また、お子様にもお勧めの一冊です。

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