「下克上の時代を生き抜く 即戦力の磨き方」 大前研一

本書は、タイトルの「下克上」、「即戦力」に惹かれて衝動買いしてしまった書籍です。コンパクトな新書なので短時間で読めますが、終章のタイトルにもなっている「人生設計は自分でやるしかない」ことを、再認識させてくれる本でした。

本書を読むだけでは、「即戦力を磨く」ことはできそうにもありませんが、現在の自分と大前氏のいう「即戦力」を持つ人材の定義のギャップを認識し、自分自身の課題設定やビジネスパーソンとしての生き方を再考してみるためのガイドの一つになりそうです。

著者は、即戦力の三種の神器として、「語学力(英語)」、「財務力」、「問題解決力」を挙げています。この点については、これらが「三種の神器」かどうかは別としても、これからのビジネスマンには必須スキルであることは賛同できました。また、大前流の勉強法や会議術なども触れられているので参考にできると思います。

最後に、本書からいくつかの「刺さったセンテンス」を示しておきます。
・「自分はこれで勝負できる」というものを、一つ決めておくこと。分野はなんだっていい。その代わり、それに関しては余人を持って代えがたいくらいのレベルを目標にしなければ意味がない。
・即戦力というのはあくまで、まったく新しい環境に放り込まれても、冷静に本質を見極め、正確な判断や意思決定のできる、プロフェッショナルのことなのだ。
・即戦力というのは、実は、いつでも戦闘できる能力を常日頃から磨いていると、結果としてついてくるものだ。
・先が見えないからこそ、長期的な目標を持って、自分の人生を設計すること。とくに三十五歳を過ぎたら、いつまでに自分はこれをやるというように具体的な目標を掲げ、いまよりさらに高い次元に向かって努力することを、意識的かつ強制的にやらなければダメだ。

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