本書は、「ビジョナリーカンパニー 2～飛躍の法則」の付属論文です。もともと、企業経営を対象に書かれていた「ビジョナリーカンパニー 2」を、医療や大学等の社会セクターに適用し、それらの幹部、リーダーに向けて書かれています。
本書では、「ビジョナリーカンパニー 2」で“飛躍の法則”として示された、
1.第5水準のリーダーシップ
2.最初に人を選ぶ
3.針鼠の概念
4.弾み車を回す
といった偉大な組織の基本法則をもとに、それを社会セクターの経営に当てはめる具体論を書かれていますが、偉大な組織の法則は、企業セクターも社会セクターも変わらないとの著者のコリンズ氏は主張しています。つまり、偉大な組織になれるかどうかは、「民営～公営」「営利～非営利」などの違いではなく、「偉大さを求める規律・文化」によるものであるとの考え方です。
本書は、非常にコンパクトな書籍ですが「ビジョナリーカンパニー 2」同様、是非、一読をお勧めしたい書籍です。
最後に、本書からいくつかの「刺さったセンテンス」を示しておきます。
・偉大な組織とは、優れた実績を挙げるとともに、長期にわたって際立った影響を社会に与える組織である。
・重要なのは完璧な指標を探すことではない。アウトプットの動向を評価するために一貫した賢明な方法を確立し、実績がどのような軌道を描いているのかを確実に確認していくことである。
・成功によって支援と熱意が生まれ、それによってさらなる大きな成功が生まれ、支援と熱意がさらに生まれる。