「ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する~絶対に失敗しないビジネス経営哲学」 島田 紳助

本書は、皆さんもよくご存知のタレント島田紳助さんが、自身のビジネスについての哲学や考え方を記した書籍です。ビジネスといっても、ご本人の本業はタレント。本書で紹介されているのは、大阪の「ミナミ」で鮨屋やフォークソングバーなど飲食関連のサイドビジネスに関する経験を披露したスモールビジネスの事例です。その中にあるご本人の思いは、「知的好奇心を満足させること」であり、また、自分の考えやアイデアの実践を通じて、それがお客さんに通用するかどうかを証明する過程で、仲間とともに「自分が楽しむことへの探求心」です。

そんな事例の中に、タレントとしても大成功した人の「ビジネス」(というより「商い」)についての実践通じて得た「失敗しない経営哲学」が満載で、どんなビジネスにも応用可能な考えもたくさんあります。

本書の中に「商い」のあり方で、大いに気づきの多い言葉をご紹介します。

・常識に反しているということは、誰もそれに気づいてないということだ。なんでも人と違うことをやればいいとういうものではない。人を違うことをするのは、たとえ誰も認めてくれなくても、合理的に考えて自分はそれが正しいと信じるからなのだ。常識はずれのビジネスをやろうとするなら、まず第一に、モノゴトを徹底的に合理的に考えなければいけない。

・お客さんを感動させるような温かい気持ちで従業員がサービスをできるかどうかは、彼らが仕事にやり甲斐を感じる職場環境を整えることができるか否かにかかっている。従業員満足度を高めることが、顧客満足度につながる。

・本人の幸せと会社の業績が一致すれば、愛社精神なんてものは自然に育つ。強制なんてしなくても、従業員はプライドを持って心から会社のために働こうと思う。それは、すなわち自分の幸せでもあるというわけだ。

・お店がいいか悪いかを判断するのは、プロではなくてお客さんなのだ。店側の事情を知るようになると、いろんな制約があって、なかなか上手くいかない理由もわかってくる。実際に商売をするには、ある程度そういうことも考えなくてはいけないが、そこにとらわれるといいアイデアは浮かばない。最初からすべて可能な目標を達成しても、どこにでもあるようなビジネスにしかならない。不可能を可能にしてこそ、初めて新しいビジネスが生まれるのだ。

・死ぬ気で頑張りますと口で言うのと、本当に死ぬ気で頑張ることとはまったく違う。“死に物狂い”という言葉がある。ビジネスに限らず、どんなことでもそこまでやらなければモノにはならないと思う。逆に一度でも死に物狂いの経験をしていれば、その後にどんな逆境が来ようとも、絶対に乗り越えることができる。

・他人の仕事だからといって手を抜く人は、自分の仕事でも手を抜く。なぜなら、世の中
には、100パーセント自分のためだけの仕事なんてあるわけないからだ。その反対に、100パーセント他人のためだけにする仕事もない。

・他人の話を聞かない人間は壁に当たる。けれど、他人の話を聞く人間は前に進めないのだ。なにかをするときには、壁に当たることを恐れてはいけない。いや、恐れてもいいのだけれど、当たるからやめようではなくて、当たるから当たっても大丈夫なように準備しておけばいいのだ。

これらは、本文中から抜粋した言葉ですが、本書の最後に、ご自身の10個の文章が綴られています。ご興味がある方は、本書を読むか、「寿司 はせ川」に行ってみてはいかがでしょうか。

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