さて、今回のテーマは、「データドリブン」です。
ここ数年「データドリブン」という言葉が、
さまざまなメディアや書籍などで登場しています。
また、「データドリブンマーケティング」や
「データドリブン経営」というキーワードもメディアを賑わしています。
「データドリブン」の直接的な意味は、
「売上データやマーケティングデータなどのデータに基づいて
判断・意思決定・アクションする事」
です。
今までの経営やマーケティングも少なからず「データドリブン」で
行われていましたし、医薬品マーケティングでも
IMSデータや自社のデータに基づいて経営戦略やマーケティング戦略が
立案されていました。
つまり、これまでもその点では「データドリブン」だったのです。
しかし、ここ最近になって、この「データドリブン」という言葉や考え方が
強調されるケースが増えてきました。
従来のデータの活用と、最近強調される「データドリブン」では
何が違うのでしょうか?
今回は、その背景について考えてみます。
ポイント1:ウェブサイトやSNSなどのメディア発展による顧客行動の複雑化
ご存知のとおり、通販やウェブコミュニケーションの発展によって、商品やサービスの購入に至るまでのプロセスが従来に比較して複雑化しています。
消費者や生活者は、ウェブサイトやSNSで情報を検索してウェブサイトで購入する場合もあれば、購入はリアル店舗という場合もあります。
つまり、情報や行動の流れが、オンラインとオフラインの両方を
行き来するようになってきたのです。
医薬品のケースでは、現時点では商品の流れは特約店経由ですが、
情報の流れはMR主体のオフラインとウェブなどのオンラインに分かれます。
つまり、AIDMAやAISAなどのモデルで通過するルートが
フェイズ毎にオンラインとオフラインの複数がある為
全体的なプロセスはとても複雑になっているのです。
そのため、売上など結果のデータだけではなく、
行動のデータがとても重要となってきたのです。
もちろん、医薬品マーケティングも同様です。
売上や採用・処方、MRのコールなどに加えて、医療者の行動データなしに判断や意思決定を行うことが難しくなってきたのです。
ポイント2:デジタルデータの取得が可能に!
こうした顧客データの取得の必要性に呼応するように、
デジタルマーケティングの技術が大きく発展してきました。
最近では、顧客のウェブサイト上の行動データが
取得できるようになってきたのです。
そのため、企業は行動データを取得し分析する環境が整ってきたのです。
だから、企業がデータドリブンで顧客を分析して、
費用対効果の高いマーケティングプランを実行できれば、
売上拡大や利益拡大が可能になってきたのです。
しかし、現実にはすべての企業がデータドリブンで
経営やマーケティングができているわけではありません。
なぜなら、データを取得するツールの使い方のノウハウや
方法論のノウハウが不十分だからです。
また、データを扱う組織や人的な資源も十分とは言えません。
今後、データドリブンを実践する上では、
ノウハウ蓄積と人的資源や組織を整備する必要がありそうですね。
次回は、データドリブンを実践するのに必要な知識や進め方をご紹介します。
このコンテンツが、医薬品マーケティングのアイデアのヒントになれば幸いです。