さて、今週は「エフェメラルSNS」を取り上げます。
若者の間で流行する可能性のあるSNSの1つに「エフェメラルSNS」があります。
エフェメラルは、「ephemeral」で、
「はかない」「短命な」「束の間の」という意味です。
このエフェメラルSNSは、投稿したメッセージや画像・動画などが、
一定期間経過後に消えるSNSのことです。
私もこのタイプのSNSがあることを最近知ったのですが、アメリカでは、
投稿した画像が最大10秒で消えるSNS「Snapchat(スナップチャット)」が
2011年にリリースされています。
主に10代の若者に人気があり、
2016年にはアクティブユーザーが1億5000万人に達したそうです。
LineやTwitter程は普及していませんが、
若者が仲間内で共有して楽しんでいるようです。
こうした背景の中、日本でもミクシィ、ヤフー、リクルートなどから
エフェメラルサービスがリリースされましたが、
どれも鳴かず飛ばずで“エフェメラル”なサービスのまま終了しました。
ところが、まさにエフェメラルだったサービスで2015年にリリースされた
カメラアプリ「SNOW」が人気になっていて、
現在は2000万以上のダウンロードがあります。
このSNOWは、
・LINEにアカウントでログインできる機能
・撮影後の顔写真を自動認識し、動物の耳や鼻などを付けて変身できるスタンプ装飾機能
・2人で撮った写真の「顔交換」ができる機能
・送り合った写真や動画は24時間後に自動で消える機能
・タイムラインに当たる「ストーリー」に公開した写真・動画も48時間で消える機能
など高い動画処理能力や、楽しい加工機能があって、10代~20代で人気があるようです。
同じ写真・動画のSNSであるInstagramが、
センスの良い写真、美しい写真を作って(盛って)投稿するという位置づけで投稿が保存されます。
つまり、ストック型のSNSです。
一方、SNOWは「ありのまま」「面白い」「その瞬間」がキーワードの写真や動画が投稿され、消えるフロー型のSNSです。
SNOWのようなエフェメラルSNSでは「投稿が消える」という特性上、
投降後の不安や後悔があっても安心なので、
Instagramとの使い分けも進んできている様子です。
残念ながら、これを医薬品マーケティングやDTCマーケティングで
どのように活かせるかは全く未知数ですが、次から次へと現れる新しいサービスは、最初は「奇異」に見えても、数年後には、
「当たり前」になっているケースがたくさんあります。
SNSが市民権を得た今、エフェメラルSNSがどう発展していくかもウォッチしておくことで、医薬品マーケティングのヒントが得られるかもしれませんね。
このコンテンツが、医薬品マーケティングのアイデアのヒントになれば幸いです。