医薬品マーケティングにも大切!エクスペリエンス・デザインとは?

さて、今週は、「エクスペリエンス・デザイン」について。

ウェブマーケティングの世界では、既に「UX:User Experience」という言葉が普及しています。
これは、ウェブサイトにアクセスするユーザーにいかに良い体験をしてもらって長く滞在してもらったり、何度も訪れてもらうことが大切であることから、UXが注力されるようになってきたからです。

一方、ウェブマーケティングだけではなく、リアルなイベントや店舗、サービスなどの分野でも、顧客の体験価値を創造することが、マーケティングで重要であることが広く認識されるようになってきました。

そこで、顧客が製品やサービスを「体験」するプロセスで、「いかにその価値を高めるか」を考え、全体の流れを設計することを、「エクスペリエンス・デザイン」と呼ぶようになったのです。

テーマパークや映画などのエンターテインメントでは、もともと「ユーザー体験」が重視されてきましたが、最近では、一般的な消費財などでも製品のパフォーマンスだけでは差別化が難しくなってきたため、エクスペリエンス・デザインが重要視されるようになってきました。

具体的に、エクスペリエンス・デザインは、製品やサービスを使う前から使った後までの全プロセスで、顧客に「感動」「楽しさ」「心地よさ」「驚き」「安心」などを感じてもらえるような設計を行うことです。

そのためには、
・顕在化しているニーズで、満たされていないものは?
・顕在化していないニーズを掘り起こせないか?

などを、顧客の観察や購買行動、履歴などから探ることが大切です。

こうした役割を果たすために、専任部門や専任担当(エクスペリエンス・デザイナー)を置いている企業もあるようです。

医薬品マーケティングでは、「楽しさ」「心地よさ」「驚き」などの体験は難しいですが、「信頼」「安心」などを軸にした体験の設計は考えられるかもしれません。

患者さんまでを顧客ととらえた場合は、疾患啓発からアドヒアランスまでを一気通貫にしたプログラムの提供なども、「エクスペリエンス・デザイン」のコンセプトで考えることもできそうですね。

このコンテンツが、医薬品マーケティングのアイデアのヒントになれば幸いです。