さて、今回は、「フェイスブック広告はDTCマーケティングに活かせる?」です。
消費財やさまざまなサービスでフェイスブックページやフェイスブック広告が活用されています。
医療用の医薬品マーケティングにおけるDTCマーケティングでは、ご承知のとおりブランド広告はできません。
しかし、疾患啓発にフェイスブック広告を実施することは可能です。
では、疾患啓発にフェイスブック広告は有効なのでしょうか?
また、どんな使い方をすれば良いのでしょうか?
今回は、私たちの実践などをもとにDTCマーケティングへのフェイスブック広告活用のポイントをご紹介します。
1)ターゲット設定は?
物販や通信販売の場合、ウェブサイトのリスティング広告に比べると、CPA(成果獲得単価)が高くなる傾向があります。
なぜなら、フェイスブックというプラットフォームの特性上、広告費はクリックではなくインプレッションで課金されることが1つの要因です。
つまり、フェイスブック広告を「クリック」されなくても、「表示される」だけで課金されるからです。
もう1つは、フェイスブックは年齢や性別、興味などの属性別でのターゲットセグメンテーションは可能ですが、ニーズの深さまで知ることはできないことです。
例えば、疾患啓発の場合なら、
「症状があって今すぐ病院やクリニックを探す」受診の可能性が高い人と、
「ちょっと気になるので病気について調べよう!」と思っているだけの人を判別することはできません。
こうしたフェイスブックの特性から、フェイスブック広告で受診促進を狙うのは良い方法ではありません。
どちらかといえば、
「病気のことは気になっているけど、まだ受診しなくても大丈夫では?」
と思っている方をターゲットとして「やっぱり受診した方が良いのかな?」
という方向に意識を高めることを目的とした方が良さそうです。
2)広告の内容は?
今ご説明した通り、ターゲットがすぐの受診を考えている方ではないので、直接「施設紹介」を行うことはあまり効果的ではありません。
どちらかといえば、疾患のセルフケアの方法や症状、放置した際のリスクなどをわかりやすく解説するコンテンツがおすすめです。
・予防や改善に効果がある料理のレシピ
・予防や改善のための体操
・病気の意外な症状
・病気の原因
・放置した場合のリスク
などのコンテンツがターゲットの反応も良いとわかっています。
また、イラストや写真などの工夫や動画を加えることもレスポンスを高める方法です。
3)成果のKPIは?
フェイスブック広告を見た人がとるアクションは、
・いいね!
・コメント
・シェア
をすることと、フェイスブック広告から他のページへの遷移です。
「いいね!」「コメント」「シェア」の3つは、閲覧者のエンゲージメントのKPIになります。
この3つは、どんな記事がよく読まれるか、好まれるかを評価できます。
もう1つ大切なのは、他のページへの遷移率や費用です。
DTCマーケティングでは、フェイスブック広告からより詳しい疾患啓発ページへ遷移させることが目的となるので、1遷移当たりの費用がKPIとなります。
様々な業種での平均的な費用は、150円程度と言われていますが、医薬品のDTCマーケティングでのケースは統計データがありません。
手探りで実施することになると思いますが、私たちの事例では150円以下に収まっています。
疾患であったり、遷移させるページの内容などによって異なってくるので、目安がいくらかを提示することはできませんが、潜在的な患者さんへの疾患啓発には十分使えるSNSです。
今後のDTCマーケティングや疾患啓発に、フェイスブック広告も検討してはいかがでしょうか?
このコンテンツが、医薬品マーケティングのアイデアのヒントになれば幸いです。