さて、今回はDTCマーケティングで重要視されつつある疾患啓発のコンテンツライティングの1つである「フィア・アピール・テクニック」を取り上げます。
フィア・アピール・テクニック(Fear Appeal Techniques)は、恐怖を与え、その恐怖を回避する方法を提案する手法のことです。恐怖を煽ることで、相手の承諾や納得を得ることの可能性が高まるという前提に成り立っています。
禁煙、薬物依存、無謀運転など害の多いことを抑止するための広告で多様されており、煙草のパッケージに健康被害に関する注意が記載されているのもその1つです。
医薬品マーケティングでDTCマーケティングに携わっている方は、この手法を知っているかどうかは別として、無意識に活用したことがあるかもしれませんね。
さて、この「フィア・アピール・テクニック」は、高い有効性が認められつつも、マイナスの効果をもたらすリスクがあることが最近わかってきました。
恐怖を過度に煽ると、それを見たターゲットが
・脳のはたらきでメッセージを避けようとする
・そのことを考えない(思考の麻痺)ようにする
ことが起こるそうです。
それは、恐怖を煽るメッセージが、その対象者にとって、気分を害し、ヒト本来の「いい気分になりたい」という根本的な欲求に反するので、脳が「向き合わないようにしよう」とする可能性があるそうです。
したがって、この手法をうまく機能させるには、
・放置するとその身に訪れる脅威や、問題を回避する方法を具体的かつステップ・バイ・ステップで提案する
・脅威を回避することができる自信を与える(誰でも可能であることを伝える)
のようにポジティブなメッセージを一緒に提供することが有効なようです。
DTCマーケティングの広告を作る際は、ショックを与えない程度に疾患のリスクを説明し、診療にかかる負担がそれほど無いことを伝えるのが有効なようですね。
この記事が、DTCマーケティングのお役に立てれば幸いです。