今回は、最近、注目されるようになってきた
フル・ファネル・マーケティング(FFM)を取り上げます。
まず、ファネルについて改めて説明します。
マーケティングのプロセスで、
集客から見込み客、商談、検討、成約(受注)へと進む中で、
その数はだんだん減っていきます。
ファネル(漏斗)とは、それを断面図にすると、
漏斗で濾した様になるので、そう呼ばれています。
もともと、ファネルの各プロセスを管理することが、
マーケティングで重要であることはよく知られています。
しかし、実際にはデータが不十分であったり、
各プロセスのKPIの設定や管理が難しいことから、概念としては理解できても
なかなか精緻な実行が伴わないケースが多かったのです。
ところが、最近では
●スマートフォンやIoT(インターネット・オフ・シングス)機器などの普及
●膨大なデータをAI(人工知能)で分析できる環境の整備や分析手法の進化
など、消費者や見込み客の消費行動のプロセスごとに
データが取れるようになってきました。
オムニチャネル化も進んでいる場合は、
データはオンラインとオフラインも統合できるようになりつつあります。
そんな状況で注目を浴びだしたのが、フル・ファネル・マーケティング(FFM)です。
フル・ファネル・マーケティング(FFM)とは、
マーケティングのファネルのプロセスを細かくかつ全体的に分析したうえで、精緻な費用対効果を測定し、マーケティングROIを最大化しようとする考え方や手法のことを言います。
フル・ファネル・マーケティング(FFM)は、
フル・ファネル・マネジメントとも呼ばれますが、ほぼ同義で使われます。
医薬品マーケティングでも、マーケティングROIの最大化は大きな課題であり、どの製薬企業も目指すところは同じです。
だから、今後は、医薬品マーケティングでも
フル・ファネル・マーケティング(FFM)を取り入れることが大切です。
つまり、オンライン、オフラインを問わず
データをいかにマーケティングのプロセスまで落とし込んで、
精緻に分析、実行を繰り返すことができるかが大切になります。
今や、製薬企業を問わず、データの収集環境が整いつつあります。
フル・ファネル・マーケティング(FFM)が、
ようやく実行できる時代がやってきたのではないでしょうか。
そんな時代では、データの扱いの巧拙が競争の勝敗に大きく影響しそうですね。
このコンテンツが、医薬品マーケティングのアイデアのヒントになれば幸いです。