行き過ぎたパーソナライズは問題!フィルターバブルとは?

さて、今回のテーマは、「フィルターバブル」です。

グーグルの「グーグル・パーソナライズド・サーチ」、
アマゾンの「レコメンド」など、
最近では検索エンジンやイーコマースを行うショップが、
検索ユーザーや顧客の個別のニーズに合わせて、
情報や商品をオススメしてくれます。

この流れは、顧客の一人一人にニーズに合った情報を提供することが、
マーケティング上、重要と考えられてきたことによるものです。

パーソナライズ化のためにIT技術が進化してきたのです。

確かに、自分の価値観や趣味・嗜好にあった情報を受け取れば
見る確率も上がりますし、無駄な情報に触れなくて済みます。
これは、企業が顧客満足度を高めたり、
無駄な情報提供コストを下げる意味では大きなメリットです。

しかし、検索エンジンやSNSなどが人工知能やアルゴリズムで、
ユーザーの価値観やニーズに合わない情報から隔離されるようになると、
その人は自分の興味の無い情報から隔離されてしまいます。

これは、社会にとっても本人にとっても、本当に良いことなのでしょうか?

商品やサービスならともかく、思想的な情報、文化的な情報を見る場合でも、検索結果に嗜好性が持ち込まれると、検索した人は、文化的、思想的に孤立するようになっていく可能性が高まります。

「フィルターバブル」とは、インターネット活動家であるイーライ・パリサー氏が自著「フィルターバブル」で作った言葉で、今、説明した状態のことを指す言葉です。

パリサー氏は、ユーザーが自分の価値観や思想、嗜好に対立する情報に接しないことで、情報皮膜(フィルターバブル)の中で知的孤立に陥ることを問題視しています。

確かにこの状態はあまり好ましい状態とは言えないと思います。

現代では、自分自身を一検索者として考えた場合、こうした状況の中に身を置いていることで、「フィルターバブル」のリスクにさらされていることを自覚しておくことも大切ですね。

さて、このフィルターバブルでは、企業のウェブマーケティングにとっての
デメリットも増えてきます。

ユーザーが気づかないような新規性の高いサービスの情報を届ける場合などは、システム上の「フィルターバブル」に跳ね返され、情報が届かないことが増えるのです。

これもなかなか厄介です。

「ウェブ検索」が当たり前になって、マーケティングが、「AIDMA」「AISAS」の最初のステップである「Attention」から、「Decax」の概念の最初ステップである「Discovery」へとシフトをしています。

それでも、フィルターバブルを突破するために、
「Attention」を与えることの大切さも軽視してはいけなさそうですね。

パーソナライズ、人工知能による検索アルゴリズムの高度化の中で、
マーケティングはますます難しくなっていきますね。

このコンテンツが、医薬品マーケティングのアイデアのヒントになれば幸いです。