「フルブラウザ」とは

今週の用語は「フルブラウザ」です。
「ブラウザ」が、インターネットを閲覧するためのソフトウェアだということはご存じの方も多いかと思います。「フルブラウザ」とは、PC向けに作られたウェブサイトを、携帯電話からみるためのソフトウェアのことです。このフルブラウザを利用することで、携帯電話から、携帯電話専用ウェブサイトに加えて、PC用のウェブサイトも閲覧できるようになるのです。
フルブラウザの「フル=全ての」は、携帯電話が全てのウェブサイトの玄関になることができることを表しています。一般的に、携帯電話に最初から付属しているブラウザは、携帯電話専用のウェブサイトをみるためのもので、PC用のウェブサイトを正確に表示することはできませんでした。
これは、携帯電話の機能に、データ通信速度が遅い、画面が小さい、一般のウェブサイトを閲覧するとデータ通信料金が高額になる、という問題があったためです。しかし、最近、第3世代と呼ばれる動画やワンセグ放送などがみられる携帯電話の普及が60%を超え、15歳以上の国民のほとんどが携帯電話を保有しているなど、いまや携帯電話があらゆるコミュニケーションの「玄関」になりつつあります。
こうした状況になればなるほど、その利用者は一層の便利さを求めることになります。つまり、携帯電話からPC用のウェブサイトにアクセスしたい、料金がもっと下がって欲しい、携帯電話からテレビ番組がみたい・・・など、その欲求はどんどん高まります。

こうしたニーズに対応するためのツールの一つがフルブラウザです。

現在の携帯電話専用ウェブサイトの欠点の一つに、利用者が一定の月額料金を負担しなければならないサービスが数多くあるということがあげられます。
たとえば、新聞社のニュースを配信するウェブサイトであれば、PC用のウェブサイトは無料で最新のニュースが読めるにもかかわらず、携帯電話専用ウェブサイトでは閲覧に月額料金が必要といった具合です。

携帯電話の機能が高度化し、データ通信速度が高速化されることで「どうせなら、無料のPC用のウェブサイトをみたい」と考えるのは自然なことでしょう。

こうしたニーズが高まったことで、携帯電話でも「フルブラウザ」が数多く提供され、多くのユーザがPC用のウェブサイトを閲覧できるようになりました。

ケータイ白書2006(モバイルコンテンツフォーラム、インプレスの調査)でも、Yahoo!やGoogle、Amazonなど、「PC用のウェブサイトを知っている」、「携帯電話から利用している」と回答する携帯電話利用者が増えており、今後は、よりPC用サービスと携帯電話向けサービスの垣根がなくなるとの予測がされていることが示唆されています。

では、このフルブラウザの普及が、医薬品マーケティングのウェブサイトにおいて、どのような影響を与えるでしょうか?

対医師のマーケティングを考えると、病院内は携帯電話の使用を禁止しているところも多いこと、医学・薬学の専門情報を携帯電話で見るには情報量が多すぎること、また処方権を持つ医師や影響力の大きな医師が相対的に高齢であり、携帯電話の様々な機能に疎いことなどから、まだ、医師向けの情報提供に携帯電話活用の時期が追いついていないとも言えます。
したがって、現時点ではフルブラウザの登場が医師向けのマーケティングに与える影響が大きいとは言えません。

一方、対医療消費者向けマーケティングではどうでしょうか?

記述の通り、携帯電話は、ほとんどの医療消費者に普及し、最も手軽にインターネットに接続できる端末となっています。
特に、10代~30代の年齢層では、片時も携帯電話を手放さず、利用時間が非常に長時間に及んでいます。さらに、第3世代携帯電話の普及率もすすみ、「QRコード」から、ウェブサイトにアクセスすることができるなど、コミュニケーションの「玄関」として価値が高まっています。

こうした状況から、携帯電話を使って、ウェブサイトから疾患・医薬品の情報を閲覧したいといったニーズが高まることも容易に想像できます。したがって、携帯電話が、DTCマーケティングの「疾患啓発」のコミュニケーション・チャネルの一要素として重要になっていくことが予想されます。

今後の医薬品マーケティング、特にDTCマーケティングにおいては、携帯電話を活用したマーケティングは重要となり、携帯電話でもPCでもアクセスできる「フルブラウザ」の活用も、様々なコンテンツへ誘導する「玄関」として利用価値が高まっていくと言えます。

~PR~
当社では、医療消費者向けといたしまして、携帯電話からのアクセスにも配慮したウェブサイト構築サービスを提供いたしております。
そうしたウェブサイトの構築にご興味のある方はお気軽にご相談ください。
「QRコード」の活用と組み合わせたサービスなど、お客様の状況に合わせたウェブサイトをご提案いたします。

⇒ 「QRコードを利用したコミュニケーションプラン」の企画書はこちら