さて、前回「インフルエンサーマーケティング」がどんなものかを取り上げました。
今回は、SNSを利用したインフルエンサーマーケティングの
リスクについて考えてみます。
インフルエンサーマーケティングとは、
消費者や見込み客に対して影響を与える人物=「インフルエンサー」を介して、商品の使い方や評価に関して好意的な情報を届けることで、
認知度向上やブランド形成を図る手法です。
医薬品マーケティングでもKOLを介したアナログ的な手法や
ウェブセミナーなどが活発に行われています。
今回は、最近増えているYouTubeやインスタグラムによるインフルエンサーマーケティングのリスクにどんなものがあるかを考えてみます。
1)インフルエンサーの信用の失墜
SNSを利用したインフルエンサーマーケティングのリスクで、
最近、実際に問題となっているのがこのケースです。
前回紹介したYouTubeで動画再生回数上位のYouTuberは、
その知名度が上がり、SNS上の言動が注目されます。
そうなると、フォロワーがその言動を厳しく
監視するような状態になります。
また、場合によっては私生活のスキャンダルなどを
SNS上で暴露されるケースもあります。
インフルエンサーの信用が失墜してしまえば、
そのプラスの影響力は大きくマイナスに振れてしまいます。
そうなると、彼らが紹介した商品やサービスにも
悪影響を与えてしまうことになります。
インフルエンサーマーケティングは、
インフルエンサーに依存する以上、このリスクを抱えます。
だから、予めインフルエンサー自身の
こうしたリスクを把握しておくことも必要になってきました。
2)ステマと認識される
インスタグラムなどのSNSを利用した商品の紹介は、
「本当に本人のお気に入り商品の紹介なのか?」
「実は広告・宣伝なのか?」
が、わかりにくい傾向にあります。
ファンやフォロワーは、本人のホンネの商品紹介やコメントが聞きたいので、ホンネを装った広告には厳しい目を向けます。
広告であるのにそう見せない投稿は、「ステマ」(ステルスマーケティング(Stealth Marketing))として認識され、かえってブランドイメージの低下につながってしまうリスクがあるのです。
インフルエンサーが何らかの対価を得て投稿する「広告・宣伝」の場合は、
そうであることが明確にわかるように表記することが大切です。
3)費用対効果が見えにくい
初めてSNSを利用したインフルエンサーマーケティングを行う場合は、
なかなか費用対効果が見えにくいというリスクがあります。
短期的な「売上」につながるケースはそれほど多くありません。
だから、売上以外にKPIを何にするかを予め決めておくことが大切です。
例えば、自社フェイスブックページへ誘導する場合は、
「いいね」の数がKPIの1つになります。
また、ウェブサイトへ誘導するなら、
アクセス数やページビューなどがKPIの1つになります。
このように、予めどんなKPIでどのように効果検証を行うかなどを決めておき、継続か中止のラインも定量的に決めておくことも必要です。
このようにSNSを利用したインフルエンサーマーケティングには、
大きく3つのリスクがあります。
医薬品マーケティングで検討を行う場合も、
この3点を予めどう少なくするかを考えておくことが大切ですね。
このコンテンツが、医薬品マーケティングのアイデアのヒントになれば幸いです。