いざ聞かれると詰まってしまう!『効果』と『効率』、その違いは?

さて、今回はマーケティング用語そのものではありませんが、「効果」と「効率」の違いについて考えてみます。

社内の会話や文書で、

「もっと効果的なプロモーション企画を考えよう!」
「予算は有限だから、もっと効率的に使いなさい!」
「投資対効果の高いプランじゃないと予算化できない」
「もっと、訪問効率を高めよ!」

などなど「効果」や「効率」という言葉が、毎日のように登場しているのではないでしょうか?

この「効果」と「効率」、当たり前にように登場するのですが、

「効果的」と「効率的」はどう違うのか?
「効果の定義とは?」「効率の定義とは?」

と突っ込まれると困ってしまうことも・・・・?当社でも、何年か前にスタッフに聞いてみたら、きっちり説明できない状況でした・・・

「効果」や「効率」の定義や意味には辞書やウェブで調べても考え方がいくつかあるので、「これが絶対正しい」というものはなさそうです。ある書籍(残念ながらタイトルが思い出せません)から得た情報で、それが腹に落ちたので今回紹介したいと思います。

1) 効果的とは?
「効果的」とは、「インプットを固定」して、「アウトプットを高める」ことです。

あらかじめ、予算が100万円と決まった広告費で、媒体Aは150万円の売り上げだったのが、媒体Bでは200万円の売上げになった場合、効果が上がったと言えます。また、1回の訪問で、従来の方法だと処方が10%アップしていたのが、新たなパンフレットを使って20%になれば、「1回あたりの訪問効果が上がった」と言えます。

<効果的とは?>

2) 効率的とは?
一方、効率的とは「アウトプットを固定」して、「インプットを下げる」ことです。

たとえば、「製品を1000個生産する」場合、従来は10日かかっていたのを、8日に短縮すれば「効率的」になったことなります。マーケティングの例では、「自社ウェブサイトの登録者を10000名にする」というアウトプットに、従来は100万円の広告費で実現していたのが、80万円に低減できれば「効率が上がった」と言えます。

<効率的とは?>

実際のマーケティング計画では、目標数値も、予算も決まっていますから、「効果的かつ効率的」に実行しなければならいという難題に立ち向かうことになるのですが、「効果」と「効率」の違いを理解しておけば、具体策を分けて考えることができるようになります。

今回の「効果」と「効率」もその一例ですが、当たり前のように使っている言葉は、お互いがその定義や意味を共有しておかなければ、ミス・コミュニケーションの原因になってしまいます。逆に、一緒に働くメンバー同士が相互に意味を「共有」できれば、それこそ、コミュニケーションが「効率的」かつ「効果的」に行えるようになります。

社内のコミュニケーションでは、当たり前に使う言葉も「意味づけ」と「共有」が大切ではないでしょうか。