LINEの「通知メッセージ」は、将来、医薬品の情報提供にも?

さて、今回は、LINEの新サービス「通知メッセージ」。

LINEと言えば、今や7300万ものアクティブユーザーを抱え、
日本人のコミュニケーションのインフラとして定着しつつあるツール。

そんなLINEの法人向けサービスには、「LINE公式アカウント」と
「LINE@」があります。

LINE公式アカウントは、大手企業などが多く300アカウントを超えています。
一方、LINE@は主に中小企業や店舗向けに30万アカウント以上が
使われています。

この2つのサービスは、登録費用や通知機能に差はありますが、
いずれも「友だち」として自社のアカウントに登録した人たちに
さまざまなメッセージを伝えることで、
マーケティング・コミュニケーションなどに利用されるものです。

製薬企業の中でも、LINEを医薬品マーケティングに
活用し始めたところがありますし、
今後、医薬品マーケティングでも必要になってくるツールです。

そんなLINEが、今年の3月に開始したのが、
「友だち登録」の無いユーザーにもメッセージの配信ができる
「通知メッセージ」です。

「通知メッセージ」は、LINEに登録されているユーザーの電話番号情報と、
企業に登録されているユーザーの電話番号情報をマッチングさせて、
企業からLINEユーザーへ、重要性や必要性が特に高いメッセージだけを
通知することができる試みです。

つまり、企業のLINEアカウントに友だち登録をしていないユーザーにも、
企業がそのユーザーの電話番号を持っていれば、メッセージの配信ができるのです。

ただし、現在、この試みに参画するのは、日本航空、全日本空輸、
ヤマト運輸、東京電力エナジーパートナー、中部電力、東京ガスの
6社のみです。
また、広告などマーケティング目的ではなく、搭乗便の遅延や欠航の通知、
配送予定日時の通知といった公共性の高いものに限定されています。

つまり、「通知メッセージ」は、ユーザーにとってサービスを受ける上で、
必要な情報が確実に届くことなのです。

LINEが社会インフラとなったことで、コミュニケーションプラットフォーム
としてのLINEの価値を高めることが狙いのようです。

電子メールの不達率が高くなった今では、こうした方法も役立ちそうですね。

また、医薬品の場合でも、副作用情報や安全性情報などの
緊急性のある情報を、いち早く知らせる上でも
有効な手段になる可能性があります。
コミュニケーションのインフラの変革は、医薬品企業をはじめ
社会に変革をもたらす一例ですね。

このコンテンツが、医薬品マーケティングのアイデアのヒントになれば幸いです。