さて、今回は、米国の有名な総合病院メイヨー・クリニックが実践するコンテンツ・マーケティングを取り上げます。
メイヨー・クリニックは、アメリカ合衆国ミネソタ州ロチェスター市に本部を置く総合病院で、患者には歴代大統領やヨルダン国王をはじめ、各界のVIPが名を連ねています。
また、常に全米で最も優れた病院のひとつに数えられています。
患者への情報発信に熱心なことでも有名で、様々なメディアを使って多種多様なコンテンツを発信しています。
いわば、医療機関のコンテンツ・マーケティングのモデルとも言えます。
日本の病医院でも、今後こうした取り組みが増えてくるでしょうし、製薬企業としても、医薬品マーケティングの取り組みを考える上で、このようなケースを知ることは、自社の医薬品マーケティングや医療機関への情報提供の参考にできると思います。
今回はメイヨー・クリニックがどんな情報発信をしているかの概要をお知らせします。
メイヨークリニックが情報発信に使っているメディアは、
ウェブサイトhttp://www.mayoclinic.org/から、リンクしていて
1.Twiiter
https://twitter.com/mayoclinic
2014年12月14日現在、フォロワー数は980,725人。
@mayoclinic アカウントを用意し、ビデオでの Twiiter の機能説明や使い方専用ページでユーザーをサポート
2.Facebook
https://www.facebook.com/MayoClinic
公式ページが用意され、2014年12月14日現在、「いいね!」は554,912。
投稿には、退院患者からの感謝や質問などがあり、これに対して実名の医師・スタッフが回答。
また、スタッフの応募・募集などにも利用。
3.YouTube
https://www.youtube.com/user/mayoclinic
Mayo Clinic Channelが用意され、2014年12月14日現在、登録者数24,120。
医師の自己紹介ほか、患者の体験談や禁煙などのベネフィットを紹介した動画など、500以上をアップ。
病院のホームページからアクセスできる「疾病と治療法の QA 集(Diseases and Treatments)」も充実。
4.News Blog
http://newsnetwork.mayoclinic.org/
Mayo Clinic News Blogは、医学・科学分野の研究結果の紹介されています。
また、疾患の予兆を調べるテストも掲載されています。
5.Podcast Blog
http://newsnetwork.mayoclinic.org/blogtag/podcast/
病院に関するストーリーが動画で掲載されています。
医師へのインタビューなども掲載。
6.Share Your Mayo Clinic Story
http://sharing.mayoclinic.org/
患者の体験談を広く募集しています。
あらゆるソーシャルメディアの活用、情報の多様性と豊富さに圧倒されます。
どんな人も同じですが、自分や大切な人が重い病気なると、病気に関する詳しい情報だけでなく、
・どこの病院でどんな治療が受けられるか?
・どんな医師がいるか?
・設備や環境面は?
などを収集し、自分が最も望む治療を受けられる病院を探します。
メイヨー・クリニックは、そんな患者の声に応えられるように、あらゆるソーシャルメディアを活用して、きめ細かな情報発信を行っています。
患者が事前に必要な情報を得ておけば、疾患・病院・医師への理解が深まり、治療内容の誤解も減らすことが可能です。
その結果、診療が効率化できる、満足度が高まる、などの成果が期待できます。
コンテンツ・マーケティングはプル型のマーケティング手法で、ユーザーに「検索ニーズ」、つまり「何かを知りたい」という欲求が起こった場合、うまく見つけてもらえることに主眼を置いたマーケティングです。
そのため、様々なメディアにコツコツとコンテンツを積み上げていくことが大切です。
一足飛びには成果がでませんが、先行して蓄積できれば、他社がそこから始めても後から追いつくことは難しくなります。
メイヨー・クリニックの事例がまさにそれを物語っているのではないでしょうか。
医薬品マーケティング、特に疾患啓発を中心としたDTCマーケティングでは、コンテンツ・マーケティングが適しています。
是非、検討して見ては、いかがでしょうか。