さて、今回のテーマは、「マルチタッチアトリビューション」です。
商品やサービスを購入するに至るまでに顧客が接するメディアやデバイスはどんどん増えています。
雑誌、新聞、テレビ、ラジオといった伝統的なメディアから、フェイスブック、LINE、インスタグラムといったSNSまでスマートフォンから接する情報もさまざまです。
そのため、実際、どこ経由の情報や広告が、どれだけ「購入」に貢献しているのかを把握することが難しくなっています。
たとえば、ウェブ広告で簡単に測定できるは、購入直前のクリックです。
しかし、本当にその広告が購入にどれだけ貢献したかは
そのポイントだけではわかりません。
仮に、この広告からの売上が上がったので
予算を増やしたら失敗したということはよくあります。
実際には、他のメディアの情報でほぼ購入を決めていて、
たまたま見かけたウェブ広告経由で買ったケースなどがあるからです。
マーケティングで大切なことは、広告や販促予算の最適配分です。
もちろん、医薬品マーケティングも同じですね。
そのためには顧客が情報や広告へ接したポイントから商品や
サービスの購入までの様々なルートを調べ、
広告などの施策のそれぞれの貢献度を分析することが必要です。
それができれば、適切な広告予算の配分ができる可能性が高まりますね。
この手法が、マルチタッチアトリビューションです。
マルチタッチアトリビューションの分析手法には、
「線形モデル」、「起点モデル」、「減衰モデル」などがありますが、
いずれもメリットとデメリットがあります。
また、実際にマルチタッチアトリビューションを行うには、投資、専門スタッフ、データの収集・分析のテクノロジーが必要で一朝一夕にはいかないようです。
一方、支援するシステムやテクノロジーなども進化しつつあります。
医薬品マーケティングの場合は、MRや講演会といったアナログの活動も
まだまだ大きな貢献度があるので余計に難しい面がありますが、
今後は、マルチタッチアトリビューションのコンセプトを
予算配分に応用することも必要ではないでしょうか。
このコンテンツが、医薬品マーケティングのアイデアのヒントになれば幸いです。