さて、今回のテーマは、「ニューロマーケティング」です。
ニューロマーケティングは、ニューロサイエンスマーケティング、
または神経マーケティングとも呼ばれています。
ニューロマーケティングとは、その名の通り「脳科学」を
マーケティングに活用しようとする試みです。
従来のマーケティングでは、
アンケート調査や消費者行動の観察調査などを用いて、
消費者の購買要因や意思決定プロセスを分析してきました。
この方法論では、消費者はアンケートなどに回答する際に「なんとなく」で選んだ感覚や無意識下にある感情を正確に表現できません。
また、目視の行動の観察では、心理や脳の動きまではわかりません。
だから、調査する側の企業も、消費者が商品やサービスを選んだ、
あるいは選ばなかった「ホンネ」を把握することが難しいのです。
こうした課題を解決すべく、脳科学で消費者の脳の反応を計測することで
購買心理や行動の仕組みを解明することがニューロマーケティングの目的です。
ニューロマーケティングを唱えている会社の1つが米ニールセン社です。
同社では、3つの指標で脳の変化をとらえる方法を提唱しています。
それは、「注目」「感情の関与」「記憶」です。
この3つは、脳波(EEG)の測定によって計測されます。
また、それぞれが補足的な方法でも分析されます。
「注目」はアイトラッキング、「感情の関与」は表情認識、
「記憶」は消費者の記述です。
この方法で、「なんとなく」や「たてまえ」ではなく、
「ホンネ」を引き出そうとするのです。
ニューロマーケティングは、日本の企業でもすでに実行と検証が始まっています。
取り組みには、脳波測定など複雑なプロセスが必要ですが、
科学的な手法なので医薬品企業に適しているのではないでしょうか。
次回は、ニューロマーケティングが使われる局面や実例を取り上げます。
このコンテンツが、医薬品マーケティングのアイデアのヒントになれば幸いです。