さて、今回は、前回とり上げた目標管理の指標「OKR」のメリット&デメリットについて。
さらに運用のポイントについてとり上げます。
OKRとは、Objectives and Key Results(目標と主要な結果)の略称でした。
OKRで使うKRが特徴的で、
・必ず定量的な指標で、数値で測れること
・数は3つくらい(2~5個程度)
・目標は、シンプルで覚えやすいこと
・目標は、100%達成できるほど大きくなくても良い
・60~70%の達成度で成功とみなす
・自信度は、低くても良い(段階で分ける)
などです。
では、OKRのメリットやデメリットは何でしょうか?
<OKRのメリット>
●会社と社員の目標の統一によるモチベーション向上
OKRは、組織の目標とチームや個人目標を連動させます。
また、それが数値としてシンプルに現れます。
だから、チームや個人が組織全体の目標にどのように貢献しているかが可視化できます。
また、頻繁なチェックで定期的な進捗確認などのコミュニケーションが生まれます。
その結果、チームや個人のモチベーションの向上につながります。
●大きな目標設定による個人の成長促進
OKRでは達成の判断基準を60~70%で良しとしています。
これは、目標を大きく掲げることによるものです。
人事考課に影響がないように運用すれば、保守的にならずチャレンジできるので、個人の成長を促進できます。
●目標に対する優先順位付け
OKRでは、全社員が公開された目標を共有します。
そして、KRを常に意識しながら、日常の業務にまい進します。
KRの頻繁な進捗度の確認によって、優先すべきKRが何かが明確になります。
<OKRのデメリット>
●OKRは、小さな企業では導入が難しい
社員数が少なく個人がマルチタスクを担う会社では、KRの数が増え、設定が難しくなります。
そのため、OKRのメリットである「シンプルさ」が機能しません。
また、チームのメンバーへのフォローやコミュニケーションに時間をとれない場合もうまく機能しません。
●目標が四半期以内で変化する超スピード企業には向かない
会社の成長速度や環境変化がとてもはやく、四半期以上のスピードで全社の方針や目標が変わる企業、変えざるを得ない企業には、OKRは導入が難しくなります。
●ビジョンの共有・浸透が不十分な場合
そもそも会社のビジョンや目標が全社員に十分、共有・浸透していないとOKRは機能しません。
KRを設定しても、チームや個人が目標を十分理解できていなかったり納得できていないと、本気で取り組めなくなるからです。
<OKRの運用のポイント>
上記のOKRのメリットとデメリットを見れば、運用のポイントが見えてきます。
簡単にまとめると次の通りです。
●そもそも会社のビジョンや目標を社員が十分に理解し、浸透していること
●会社のビジョンや目標を個人レベルまで適切に落とし込めること
●目標数値の設定が全チームと個人で適切であること
●導入しても即効的な効果が無い場合が多いことを理解しておくこと
●レビューやフォローを月1回程度行い、十分なコミュニケーションがとれること
結果を出している企業、導入を検討している企業も増えてきているので、製薬企業でも導入を検討する価値は十分ありそうですね。
このコンテンツが、医薬品マーケティングのアイデアのヒントになれば幸いです。