今回の用語は「レコメンド」です。ご存じの通り、「~を推薦する」「~を提案する」という単語ですが、インターネットマーケティングではどのような意味で使われているか、また、医薬品マーケティングでどのような活用方法があるのかを考えてみます。
まず先に具体的な事例から説明してみようと思います。
アマゾンをご利用されたことがあればご存じかと思いますが、ある商品「A」を「買い物かごに入れる」と、「Aという商品を購入した人は次のような商品も購入しています」というリストが、買い物かごの内容表示とともに、自動的に表示されます。
アマゾンでは、顧客データ、購買データをもとに、これまでに「A」を買った人の購入履歴を分析し、「B」という商品が同じ人たちによく売れている、ということがわかっていますから、今回「A」を購入した人にも、自動的に「B」を勧めるプログラムを組み、それを提案するしくみを持っています。
これを実現するため、アマゾンの場合では、個別ユーザの購買履歴のトレース、データベースでの情報集約・管理、情報提供の自動化などに取り組んでいるのです。
その結果、情報の提供者であり売り手であるアマゾンは、闇雲に商品や情報をお知らせするよりも高確率で、クロスセルができるようになるのです。
こうした、ユーザのウェブサイトでの購買履歴を分析して、類似した購買行動をとるユーザに向け、情報提供やクロスセルを促進する方法が「レコメンド」です。
では、これが医薬品マーケティングにおいて、どのように活用できるでしょうか?
医療医薬品では、現在、アマゾンのように、直接「販売」を行うことはありませんから「クロスセル」に活用することはできませんが、「特定のセグメントに興味を持つ可能性の高いコンテンツ提供」を行うことは可能です。
医薬品マーケティングのウェブサイトでは、会員制として、登録時に医療従事者の属性データを蓄積している場合が多いかと思います。
そのウェブサイトにおいて、個別に、あるいは会員の属性(開業医・勤務医、診療科などの分類)ごとに、コンテンツ別のアクセスログを分析していれば、「レコメンド」を導入することは可能です。
例えば、「A」「B」「C」という3つのコンテンツがあり、アクセス解析の結果、内科開業医の方々では「A」→「B」→「C」の順に閲覧数が多く、外科勤務医の方々では、逆に「C」→「B」→「A」の順であったとします。
「レコメンド」機能では、その結果をふまえ、それぞれの属性の方向けにページを自動的に作成し、次にその属性の医師の方がアクセスされた時には、作成されたページを表示するのです。
そのページでは、外科勤務医の方であれば、「C」のコンテンツが目立つように表示されていますし、内科開業医の方であれば、「A」のコンテンツが目立つように掲載されています。
アクセスした医師の方は、自分と同じ属性の方が興味を持つコンテンツが、目立つように表示されていますから、そのコンテンツを読まれる確率が高いでしょう。
そうすることで、情報提供側としては、それぞれのコンテンツの精読率が向上し、情報提供がより深くおこなわれることが期待できることになります。
医療従事者側の視点で見れば、自分と属性が同じ、あるいは近い人が閲覧しているコンテンツは、自身にとっても興味がある可能性が高く、「気の利いたウェブサイト」と感じる可能性が高まります。
医療従事者へのホスピタリティに満ちたウェブマーケティングを考える上で、「レコメンド」機能の導入を検討されてはいかがでしょうか。
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「レコメンド」サービスの提供にあたっては、ウェブサイトにアクセスいただいた方のデータベース、定期的なユーザ属性ごとのアクセスログの取得と解析、ユーザ属性ごとのウェブサイトにおける行動のトレーシングといった機能を持ったウェブサイトが必要です。
当社では、医薬品マーケティングにおけるウェブサイトの開発、運営ノウハウにより「レコメンド」サービスを実装したウェブサイトの構築サービスも提供可能です。
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