さて、シリーズで、潜在患者さんのアクセス後の受診促進の方法を、継続的な「啓発」の観点から考えています。
前回は潜在患者さんのセグメンテーションでした。
セグメンテーションは、大きくは4つに分けることが可能で、
1) 今すぐ受診の潜在患者さん
2) お悩み中の潜在患者さん
3) そのうち受診の潜在患者さん
4) まだまだ大丈夫の潜在患者さん
でした。
疾患や受診への意識がそれぞれ違うので、セグメント別に異なったコンテンツを配信することが大切であることをお伝えしました。
また、そのためには、継続的なコンタクトが取れる状態を作ることも大切です。
今回は、その手段を考えてみましょう。
ただし、1)の潜在患者さんにはその必要はなく、「施設検索」などへ誘導すればよいのです。
それでは、2)3)4)で分けて考えてみましょう。
ここで3つを別々に考えるのは現実的ではありませんから、
2)の「お悩み中の潜在患者さん」
3)4)の「まだ、切羽詰っていない潜在患者さん」
の2種について考えましょう。
いずれの場合も、継続的にコンテンツを配信したり、何らかのコンタクトするためには、「リスト取得用ページ」が必要です。
このリスト取得用ページ作成のポイントは次回のテーマとしますので、今回は、セグメント別のコンテンツを考えてみます。
2)のセグメントに大切なのは「受診時の不安を取り除く」情報です。
すでに、疾患や検査、治療などにはある程度の情報を持っているはずです。
経済的な負担、治療期間、検査や治療に伴う痛みや苦痛、実際に治るのか?などに不安を抱えている可能性が高いでしょう。
そこで、不安を解消できるようなコンテンツや、実際に治療した患者さんの声などをQ&A形式でまとめたE-Bookを作成し、潜在患者さんがメールアドレスを登録することにより入手できるような仕組みを作ります。
3)4)は、切羽詰まって悩んでいないセグメントなので、お示ししたような内容のE-Bookへのニーズはまだ高くありません。
そこで、疾患の症状から簡易なチェックができ、現在や将来のリスクをフィードバックをするような仕掛けが必要です。
この時点では、メールアドレスの登録は潜在患者さんの負荷になるので、チェックシートの入手は、簡易版については登録不要、詳細版は登録が必要というように、選別してみるのも1つの方法です。
多くの製薬企業では、疾患啓発やDTCマーケティングのために、患者さん向けコンテンツを提供していると思います。
しかし、流入キーワードを分析して、セグメント別にコンテンツを準備するところまでは進んでいないケースが多いと思います。
いまや、ツールは揃っているので、潜在患者さんのマインドごとにコンテンツを考えることも必要ではないでしょうか。
この記事が、DTCマーケティングのお役に立てれば幸いです。