さて、今回は「コンテンツマーケティングによるSEOとDTCマーケティング」のPart 2です。
前回、この方法が、医薬品マーケティング、特にDTCマーケティングでも応用可能であること、
そして、方法論としては、
1)「ワードプレス」を使い、目的とする領域のコンテンツを継続的に蓄積・更新されるウェブサイトを運用する
2)事前に、SEOを行うためのキーワードを様々なツールで分析し、有効なキーワードを選定する
3)そのキーワードを含むコンテンツを、グーグルが望む最適な構造で文章化する
4)検索による自然流入を増加させることで、「広告」を使わないで効果的なコンバージョン(成果=売上)を得る
であることを示しました。
今回は、SEOによる上位表示がなぜ大切かをシミュレーションで示してみます。
ここでのポイントは、上位表示とクリック率の関係です。
まず、基本的な目標は、狙ったキーワードで検索結果の1枚目、つまり、10位以内に入ることです。そして、その中でもより上位に表示されれば、成果が上がります。それは、上位にいればいるほどクリック率が高いからです。
イギリスの調査で、検索結果の順位とクリック率を示したデータがあります。
それによると、検索結果の順位とクリック率の関係は、
1位 19.35%
2位 15.09%
3位 11.45%
4位 8.68%
5位 7.21%
6位 5.85%
7位 4.63%
8位 3.93%
9位 3.35%
10位 2.82%
となっています。
キーワードによっても多少は違うでしょうが、1位なら約20%、10位なら約3%と、7倍程度の開きがあると考えてよいと思います。
仮に、DTCマーケティングのために疾患啓発のウェブサイトを運用しているとします。最終的な、目標を、「その疾患の疑いのある患者さんに受診していただき、自社製品の処方にいたる」こととして、シミュレーションします。
1)年間アクセス数 1,500,000
2)コンバージョン率 1%
(そのウェブサイトから病院検索をして、受診する比率)
3)受診して自社製品処方 50%
4)患者さん1人あたりの薬価 1万円(年間)
5)服薬継続率 60%
と仮定した場合の売上を計算すると
クリック率20%であれば、
1,500,000 × 20% × 1% × 50% × 1万円 × 12ヶ月 × 60% = 108,000,000円
クリック率3%の場合、
1,500,000 × 3% × 1% × 50% × 1万円 × 12ヶ月 × 60% = 16,200,000円
となります。
クリック率以外のパラメータは変わらないので、クリック率の差がそのまま売上の差になるのです。上記のケースでも1億円近い差がでます。
こうしたことから、SEO自体の重要性は以前から理解されていましたので、イーコマースを営む様々な業種の企業でSEO対策が実施されてきました。
そして、過去においては外部リンクやコピーコンテンツなどでも上位表示が可能でしたので、SEOの本質ではない、テクニカルな手段によって上位表示する手段も散見されていました。
しかし、最近では「良質のコンテンツの豊富さ」がSEOによる上位表示の鍵となってきました。それが、コンテンツマーケティングが盛んになってきた理由の1つです。
医薬品企業各社の疾患啓発のウェブサイトは、しっかり監修されていたり、内容も充実していて、基本的に「良質のコンテンツ」です。
ただし、グーグルのクローラーが「良質」と認識するには、いくつかの法則のようなものがあるので、その点を理解したコンテンツの設計が必要になります。
今後、その「法則」も示していきますが、今回は、SEOによる上位表示が売上に大きく影響することをご理解頂ければ幸いです。