さて、前回は、DTCマーケティングをコンテンツマーケティングで実施する際のKPIを示しました。
今回の「コンテンツマーケティングによるSEOとDTCマーケティング」のPart.24では、KPIの1つひとつについて、分析の考え方について紹介します。
様々ありますが、基本となる5つとしては、
1)訪問数
これは、一定期間に目標ページに訪れた人数で、メディアの規模を表す指標です。
ポイントは、
・絶対数
・過去との比較、傾向
・検索キーワードに対するシェア
です。
3つ目の「検索キーワードに対するシェア」は、訪問者ごとに、検索キーワードがわかるので、それを全検索数で割って100をかければ算定可能です。
目的とするキーワードでのSEO上位表示であるほど、シェアが高くなります。
もし、SEOで上位表示、シェアが10%以下なら、クリックされていない率が多いので、タイトルや要約文の見直しが必要です。
2)ページビュー
これは、キーワード毎に、訪問者が平均何ページ見ているかの数値です。
Google Analyticsでは、ページビューの多いキーワードでソートすることが可能です。
目標キーワードで来訪したユーザーのページビューが、見て欲しいページ数より低い場合は、ページ内の誘導リンクやリンクボタンなどを見直しましょう。
3)訪問時滞在時間
目標キーワードで来訪したユーザーが、そのウェブサイトにどのくらいの時間滞在しているかの指標です。
来訪したユーザーにとって、ニーズに合い、興味をひくページであるかどうかがポイントです。
基本は、長いほうがよいので、平均が1分未満なら問題です。
コンテンツやユーザビリティ、導線などを見直す必要があります。
4)新規訪問率
全訪問者数に対する、一定期間の新規訪問者数の割合です。
一般的には、70%前後で推移することが理想的だと言われています。
しかし、DTCマーケティングを意識した疾患啓発サイトの場合、疾患の特性を考慮して指標を考える必要があります。
糖尿病、更年期障害など、年齢とともに患者さんが新たに増えるような疾患であれば、70%を目安としてもよいと思います。
一方、希少疾患であれば、もっと低い数値になるでしょうし、インフルエンザなどの季節性のある疾患であれば、季節で異なります。
疾患の特性を考慮して、目標設定が必要です。
5)直帰率
目標キーワードで来訪したユーザーが、そのページだけを訪れて離脱した割合です。
これは、高いか低いかよりも、ページ自体がどんなページなのかで判断をする必要があります。
例えば、
「便秘 受診」というキーワードで訪れたユーザーが、
「便秘で受診する方のために」のようなページを見て、
「施設検索のページ」へ遷移しなかった、
つまり、直帰率が高ければ、それは問題です。
しかし、「便秘 原因」というキーワードで訪れたユーザーが、「便秘の原因とは?」のようなページを見た場合、それで納得したユーザーや軽症の便秘のユーザーは、そのまま、そのページを離れます。
この場合も、直帰率は高くなりますが、「便秘」という疾患を考えれば、直帰率の高さ自体は問題ではありません。
そのため、疾患、ページのコンテンツなどで直帰率の基準を分けることが必要です。
全体として問題なのは、滞在時間が短くて直帰率が高いことです。
そんな場合は、コンテンツを全面的に見直す必要があります。
この5つの指標は、それぞれで分析するのではなく、関連付けて分析することが重要です。
KPI自体は5つで十分で、それを様々な視点で見ることで、課題の発見もできると思います。
DTCマーケティングをコンテンツマーケティングで実践するのは、長期的な取り組みが必要ですが、この5つの指標を見ながら進めることで、随時、見直しと改善ができるでしょう。