さて、今回は、「コンテンツマーケティングによるSEOとDTCマーケティング」のPart.26です。
最近、電通が「コンテンツマーケティングに対応した購買行動モデル」として「DECAX(デキャックス)」を発表しました。
従来のAIDMAやAISASなどと比べると、考え方の違いがよくわかりますので、今回は、このモデルについて取り上げます。
DECAXは
「Discovery(発見)→Engage(関係)→Check(確認)→Action(購買)→eXperience(体験と共有)」
の略です。
AIDMAもAISASも最初の入口は、Attention=注意喚起です。
しかし、DECAXはDiscoveryと変化しています。この違いが、主体の違いです。
AIDMAもAISASも、最初に仕掛けるのは「企業」であって、「広告」です。
一方、DECAXの主体は、検索ユーザーである見込み客です。
見込み客が、元から何かに興味を持っていれば、関係するキーワードで検索して、自分にとって価値のあるコンテンツを「発見」します。
しかし、そこで何かを「買う」のではなく、発見したウェブサイトに価値があると感じれば、何度か訪れることで「関係」を深めます。
そして、その企業の製品やサービスを「確認」するようになります。
自分が納得すれば、
製品やサービスを「購入」し、
それを「体験」して、
体験談や評価をSNSや口コミサイトで「共有」する
という流れです。
例えば、便秘で悩んでいる女性がいるとします。
食事や市販薬で何とか改善することもあるので、受診するまでには至っていません。
ただ、自分の知識不足や症状が十分改善しないので、不安もあります。
そんなとき、「便秘 改善」と検索して、そのコンテンツのあるウェブサイトを発見します。
そのウェブサイトに訪れて見ると、専門医の監修による診断や治療、病院紹介など多くのコンテンツがあって信頼できそうだと感じます。
一度に全てのコンテンツを読むのは大変なので、
ブックマークするなどして、何度かそのウェブサイトを訪れ、
便秘を改善する情報を読んで、「企業」との関係を深めます。
もし、その女性が受診しなくても便秘が改善すれば受診にはつながりませんが、改善しない場合は「受診するべきかも?」という気持ちが高まり、受診につながる可能性もあります。
また、同じ便秘で悩む友人や知人などに、そのウェブサイトを紹介してくれる場合もあります。
最近では、「検索」がパソコンから、どんどんスマートフォンへシフトしていますので、検索行動は、パソコンの場合より頻繁になっています。
空き時間や移動時間など、ありとあらゆる場所、時間帯で「検索」する人が多くいます。
そんな中、DTCマーケティングを広告費をかけずに実施しようとした場合
「いかに自社サイトを発見してもらうか?」
「コンテンツに価値を感じてもらうか?」
「他の人にも紹介してもらえるか?」
などが重要なポイントです。
コンテンツマーケティングでDTCマーケティングを機能させるためのモデルとしては、DECAXはよい枠組みとして利用できるのではないでしょうか。