さて、医薬品マーケティングの展開に際して、競合他社の動きが全て見えるとしたら、自社の立場はどうなるでしょうか?いわずもがなですが、有利な展開を図ることが可能ですね。
医薬品を取り巻く市場では、IMSデータやドクター情報のデータのように正確に把握できるものが多く、消費財などに比べ、リアルな環境下のデータは入手しやすい状況にあります。
一方、ウェブマーケティングでは、自社の動きは分かっても、他社の動きまで把握することは、従来難しかったのではないでしょうか。
ところが、最近、ありとあらゆるウェブサイトを丸裸にできるツールが現れました。それが、今回取り上げる「シミラー・ウェブ(Similar Web)」です。
このサービスはイスラエルの企業が提供するもので、競合他社のホームページのアクセス数をはじめ、広範囲の情報を入手できるというものです。
その数値は何らかのアルゴリズムのよる統計的な推測値のようですが、ある程度、近似値が得られるようです。そして、このサービスが無料で使えます。
おそらく、無料版で有効性を確認してから、有料版を使ってもらいたいということだと思いますが、それでも無料で試せるのは魅力的です。
当社でも、協力企業にお願いして有料版を活用し、いくつかのウェブサイトの調査を実施しているところです。結果がでれば、どこまで使えるかがわかると思いますが、今回は、このサービスでどんなことができるかのポイントをお伝えします。
このサービスでは、調査したいウェブサイトのURLさえ指定すれば、
・訪問者数
・訪問者数の期間別遷移
・国別アクセス比率
・トラフィックソース
・リファラー
・検索キーワード
・ソーシャル比率
・ディスプレイ広告の状況
・訪れるユーザーの趣味嗜好
・アクセス後の遷移先
・人気ページ
・競合ページ
・関連性のあるページ
などが数値とグラフで表示されます。
つまり、メディア力やアクセスしているユーザーに関連する情報が「地図」のように手に入るのです。
また、大きなポイントは、Google Analyticsでは閲覧できない「not provided」の情報もわかることです。Google Analyticsでは、アクセスがどこからあったかが不明な場合「not provided」と結果がでるのですが、シミラーウェブでは流入情報がわかります。
残念なのは、現状ではPCウェブサイトの分析しかできないことですが、近い将来、スマホサイトも分析可能になるという噂もあります。
このサービスを上手に使えば、誰でもこうした情報を得ることができ、ウェブマーケティングの競合調査の最強ツールに成りえます。ウェブマーケティングを展開する全ての企業にとって、脅威でもありチャンスでもあります。
このような状況の中では、
●世にあるウェブマーケティングの様々なサービスの情報を把握して、どんなことができるかを知っておく
●その上で「何をして、何をしないか?」を重要度や費用対効果などの視点で判断する
ことが益々、重要になってくると思います。
医薬品マーケティングにおいても、こうしたツールを使ってみる価値はあると思います。
無料版もあることなので、一度、お試しになってはいかがでしょうか?
「なお、いくつかのウェブサイトのデータを取ってみたいので相談したい」と言う方は、下記まで御連絡ください。
協力会社とのタイアップにより、安価でのレポート提供も可能です。