「ソーシャルディスカバリー」とは

前回につづいて、「ソーシャル」が含まれた言葉です。

「ソーシャル」=「社会・大衆」が「ディスカバリー」=「発見した」情報を手軽に利用できるようにしたサービスです。
みなさんが、ウェブサイトで情報を集めようとした時、どういった方法を取られますか?

おそらくGoogleやYahoo!で、キーワードを入力して検索されるでしょう。
しかし、検索結果に表示されるウェブサイトから、自分のニーズにピッタリ当てはまるウェブサイトを、選んだり、見つけたりすることは、結構難しい場合もあるのではないでしょうか。
そんな場合、友人や知人に、自分の欲しい情報が掲載されているウェブサイトを教えてもらう、といった経験もあるのではないかと思います。

これをインターネットを通じて、不特定多数の人におこなってもらう、というのが「ソーシャルディスカバリー」サービスなのです。

以前に紹介した「ソーシャルブックマーク」に近いサービスですが、より利用者が手軽に利用できるサービスとして、最近注目を集めています。

なかには、すでに400万人もの人が利用している「ソーシャルディスカバリー」サービスもあります。

まずは「ソーシャルディスカバリー」の代表的なウェブサイト、「Stumble Upon」を見ていただきましょう。

Stumble Upon

このサービスに登録(もちろん無料です)すると、ウェブブラウザに、自分が選択した特定のキーワードに関連しているウェブサイトが自動的に紹介されるようになります。

例えば「旅行」というキーワードを選択すると、次々と「旅行」に関連したウェブサイト(航空会社のウェブサイトやホテルの料金比較サイトや個人の旅行ブログなど)が紹介されます。

これらは、「Stumble Upon」を利用している400万人の誰かが「旅行」に関連しているウェブサイトを見つけては、紹介してくれるような仕組みになっています。
手間は、ブラウザに表示されるボタンをクリックするだけなので、紹介者の負担は殆どありません。

このように、「Stumble Upon」は、「キーワードによる検索」を超えて、「多くのユーザが見つけた発見」を簡単に利用できることで、登録者が急激に増加しました。
また、自分自身も手軽に情報の発信者になれることも人気の要因です。

では、この「ソーシャルディスカバリー」を、どのように医薬品マーケティングに活用できるでしょうか?

「ソーシャルディスカバリー」サービスは、ウェブ上で手軽な情報交換の場を提供する仕組みです。

もし、自社の製品情報や事業ドメインに関連した情報交換のプラットフォームを提供すれば、ウェブサイト利用者同士で気軽に情報交換の場ができます。
交換される情報や紹介されるウェブサイトの内容が、必ずしも自社にとって、有利にならない場合もあるでしょうが、多くの集合知のフィルターを通すことで、情報の信頼性が向上し、結果的により多くの登録者を集める可能性もあります。

また、医療情報の交換だけではなく、おいしいレストランや使って便利なサービスなどの情報を交換していただくなどで、利用の幅も広がるのではないでしょうか。

最近のウェブサイトは、「ソーシャルニュース」や、この「ソーシャルディスカバリー」といった、ユーザが相互に情報を交換するウェブサイトの仕組みを利用するものへと発展してきました。

医薬品マーケティングのウェブサイトにおいても、「相互に情報交換できるしくみ」をマーケティングに活かせるように検討されてはいかがでしょうか?