さて、今回はスマートフォンのマーケティング活用について、個人的な見解を綴ってみます。
まず、今年の4月に総務省「情報通信政策研究所」の発表では、
1)2013年のスマートフォンの利用率は、全世代で52.8%となり、2012年の32.0%から20%伸長した。
2)前年に比べ、30代で49,9%⇒78.8%、40代は28.8⇒58.8%、50代は13.7%⇒32.4%に、それぞれ約20%伸長した。
という結果が発表されました。
これは、昨年末の時点での普及率なので、今では各世代でもっと普及しているはずです。今や、30代では当たり前。40代、50代にもどんどん普及していることがうかがい知れますね。
総務省「情報通信政策研究所」の調査結果
http://www.soumu.go.jp/iicp/chousakenkyu/data/research/survey/telecom/2014/h25mediariyou_1sokuhou.pdf
また、ニールセンが、2013年4月からの1年間のスマートフォン利用状況をまとめたレポート「Life with Mobile」を10月21日に公開しました。
この調査では、スマートフォン利用の場面を15のカテゴリーに分類していますが、半数以上の9のカテゴリにおいてスマートフォンの利用者数がPCのそれを超えいます。
「エンターテイメント」カテゴリーに含まれる「動画」関連のサービスも、2014年ではスマートフォンからの利用者が急増しています。
また、「教育とキャリア」というカテゴリーもスマートフォンからの利用者数が、PCのそれを上回っています。
ニールセン プレスリリース
http://www.netratings.co.jp/news_release/2014/10/Newsrelease20141021.html
つまり、スマートフォンで利用するサービスの範囲が、電話やメール以外にもどんどん広がっているのです。
私もスマートフォンを使い出して3年になりますが、
・移動中や自宅でのウェブ検索・情報収集は、スマートフォンへ完全にシフト。
・フェイスブックなども、ほぼスマートフォンで利用。
・最近では、You Tubeもスマートフォンで利用開始。
と、フューチャフォン(ガラケー)を使っていた時とは、大きく変わりました。
先日、あるドクターに伺ったところ、やはり、スマートフォンによる医学系ウェブサイトや医学系アプリの利用が増えているとのことでした。
スマートフォンがここまで急速に普及しているのは、
1)高機能化
ウェブ・アプリ・メールなど、高機能化によってどんどん便利になっている。
2)SNSの一般化
FacebookやLineなど、コミュニケーションツールとしての活用が増えている。
3)携帯性
いつでも手元にある。
ということからです。
このトレンドは、医療者にとっても同じだと思います。そのため、スマートフォンが医薬品マーケティングにおいても重要なコンタクトポイントになることは間違いないと思います。
私が、就職したばかりの約30年前、MR(当時「プロパー」と呼ばれていました)は、こぞって医局の壁のまわりに陣取り、「医局の壁の花」と呼ばれることも。パソコンさえも殆どない当時、医師が診療から医局に帰ってくるのを、そこで待ち伏せしたものです。
つまり、医局がコンタクトポイントとして、最も重要な場所だったのです。しかし、こんな光景は今や昔。
このようにコンタクトポイントは、通信手段やデバイスの革新によって、時代とともに変化します。今や、スマートフォンが重要なコンタクトポイントになるりつつあるのは、間違いありません。
また、スマートフォンには、ARなどのアプリを組みわせれば、紙媒体と動画の融合も可能なので、MR活動とデジタル動画を組み合わせた「クロス」マーケティングも可能になります。是非、スマートフォンの医薬品マーケティングへの活用を進めてはいかがでしょうか。