さて、今回は「STAFF」シリーズの最終回、最後の「Follow」について考えてみます。
「STAFF」の「S」「T」「A」「F」まで進むと、活動をいかにフォローしていくか?が大きな鍵になります。
つまり、
1.セグメンテーションは「戦略目的に完璧にマッチしていなければならない」ものである。
2.セグメンテーションの本質は、自社製品を採用してもらい易いセグメントの順序を推測し、かつ、採用になった場合のリターンが大きいセグメントを見つけること。
3.そして、見つけた最重要セグメントに、資源を集中させること。
4.過度に顧客分析や競合分析をするより、目的を達成するための必要最小限でシンプルな情報が得られれば良いこと。
5.関係者が合意した上で、確実なアクションとトラッキングが行われること。
の「5」を具体的にどうしていくか?がポイントです。
せっかく明確にターゲットセグメントを決めても、その行動や成果に至るプロセスが不明確であったり、フォローが不十分であれば、成果を上げることは難しくなります。そのため、「フォローを仕組み化する」ことが極めて重要になります。
具体的な、方法としては
1)活動の状況を、「主観やあいまいな言語」ではなく全員共通の「記号」として表す。
2)管理システムは、単純化してレポートすべき活動や評価指標を減らす。
3)「報告」あるいは「共有する場」のルールを作り、例外をなくす。
4)デジタルに過度に頼らずアナログなコミュニケーションを重視する。
が考えられます。
1)に関しては、新規採用が目的の場合なら、進捗状況を記号化することが可能です。
おそらく、SFAの仕組みで実施されているケースもあるでしょう。
たとえば、未訪問=A/初回訪問=B/試供品提供=C/試供品使用=D/薬審=E/採用=Fなどと決めれば、すべての施設の状況が定量的に把握可能です。
「もうすぐ●●です」「うまくいきそうです」などといった、あいまいで主観的な言語をなくすことで、フォローの「見える化」が可能です。
2)に関しては、必要最低限の情報を管理することで、余計な「事務仕事」をなくすことも必要です。
おかれた状況によって指標は若干変わるでしょうが、プロセスと成果が時系列で把握できる重要な指標のみを取り上げることがポイントです。
3)は、どの支店、どの営業所でも、ルールや共有の場は「統一」した方法で実施し、例外を作らないように営業リーダーがリーダーシップを発揮することが求められます。
フォローの過程で、やったりやらなかったりの例外を作ると、プログラム全体が機能不全になってしまいます。
4)は、ある特定の製品でこのプログラムを実施している場合、あえて既存のSFAの仕組みやデジタルの管理とは別に行った方が良いのではないか?という私の仮説です。
今、日報をはじめ様々なデータが、デジタル化され管理効率は高まっています。しかし、一方であまりに数値が増えると、データをもとに当事者が分析したり、関係者が共有やコミュニケーションする機会が減ってしまうのではないか?そのため、データは集まっているのに、チェック&アクションにつながらないケースもあるように感じます。
難しい部分ですが、ITで効率的にデータをデジタル化する一方で、アナログなコミュニケーションも併用したフォローを考える、デジタルデータをもとに分析と次のアクションを関係者が同じ場でディスカッションする、なども大きなポイントだと思います。
今回で、STAFFについての連載は終了です。極めて当たり前の原理・原則ですが、いざ実行を徹底し、フォローを継続するとなると難しいものです。
逆に言えば、それを実行できれば確実に一歩抜け出し、成果を上げることができます。自社のSTAFFのプロセスを見直し、改善するプロセスがあるかどうかの確認するために、是非ご活用いただければ幸いです。