さて、前回は、最近、注目の概念である「SXO」を取り上げました。
SXOとは、Search Experience Optimizationのことで、「ユーザーがウェブの情報に触れて、良い体験ができたと感じてもらえるか?」を意識して、体験価値の最大化を目指す考え方です。
前回は、SXOの概要を紹介しましたので、今回はより深くSXOを掘り下げてみます。
SXOで大切なのは、「検索したユーザーの疑問や不安を予測して、問題解決を図る」ことまで考えてコンテンツを設計することです。
これは、SEOより幅広くコンテンツを考えなければならないことを意味します。
医薬品のDTCマーケティングのケースで考えてみましょう。
例えば、「糖尿病 原因」とユーザーが検索した場合は簡単です。
この場合、ユーザーの知りたい答えは「糖尿病の原因は何か?」です。
従来のSEOの発想で「糖尿病の原因」についてのコンテンツをしっかり書けば良いのです。
では、「糖尿病」と検索する場合はどうでしょうか?
何が知りたいかはこれだけでははっきりとわかりませんが、「糖尿病とはどんな病気か?」「治療方法は?」「診断方法は?」「専門医はどこにいるのか?」など、糖尿病に関連する情報を知りたいことは間違いありません。
SXOでは、この質問、つまり「糖尿病」というビッグキーワードで検索したユーザーの知りたいことの範囲や順序までを意識したコンテンツ設計が必要なのです。
そして、それが実現できているウェブサイトがユーザーから高く評価され、結果的にGoogleも高く評価するので表示順位も上がるのです。
なぜなら、Googleはユーザーのクリックの動きまで分析して、ウェブサイトやコンテンツを評価している可能性があるからです。
「糖尿病」の場合なら、ユーザーが上位表示されたウェブサイトのページ、例えば1位表示のページを見て、すぐに検索結果画面に戻ってまった場合、そのウェブサイトは次第に評価を下げる可能性があります。
一方、例えば、5位表示のページを見て、そのページから糖尿病に関連するさまざまなページを見たとすれば、そのサイトは評価が高まるのです。
つまり、SXOでは、ユーザーが検索でたどり着いた最初のページで、
・自分の知りたい答えがあるか?
・それは信用に足るのか?
・関連する質問の答えが簡単に得られるのか?
を意識したコンテンツと画面の設計が求められるのです。
これを深く考えるには、Googleアナリティクスだけでなく、サーチコンソールも使って、ユーザーのニーズや動きまでしっかり分析することがますます、重要になってきます。
なお、現在では、無料で使えるツールをGoogleが提供してくれているので、うまく活用すれば、SXOに活かすことが可能になってきました。
医療従事者向けサイトでも、患者さん向け疾患サイトでも、SXOを意識して、ユーザーの体験価値の高いコンテンツの作成を考えてはいかがでしょうか?
なお、SXOはSEOも包含した概念で、SEOと対立するものではありません。
SXOを意識してコンテンツを作成することが、そのままSEO対策にもつながります。
この記事が、医薬品マーケティングやDTCマーケティングのお役に立てれば幸いです。