さて、今回は、SNS時代の商品やサービスの購買プロセスモデル
「ULSSAS(ウルサス)」をとり上げます。
マーケティングのフレームワークでは、購買プロセスのモデルが
時代とともに生まれています。
最も古いものが、AIDMA。
これは、主としてマスマーケティング時代のモデルで、
「認知→興味・関心→欲求→記憶→購買」の流れです。
続いて、インターネットの登場とともに生まれたのが、AISASです。
こちらは、「認知→興味・関心→検索→購買→シェア」の流れです。
インターネットの登場で「検索」というプロセスが加わったことと、
購入後のシェアが加わったことが大きなポイントです。
そして、今のSNS時代に登場した新しいモデルが、「ULSSAS(ウルサス)」です。
SNSと言えば、フェイスブック、ツイッター、インスタグラムなどです。
SNSの大きなポイントは、誰でも比較的簡単にコンテンツが作れ、
情報発信できること。
そして、拡散できることやユーザー間で相互に影響を与え合うことです。
「ULSSAS(ウルサス)」とは、それをモデル化したものです。
ULSSASとは、次の言葉の頭文字をつなげた造語です。
U:UGC(ユーザー投稿コンテンツ)
L:Like
S:Search1(SNS検索)
S:Search2(Google/Yahoo!検索)
A:Action(購買)
S:Spread(拡散)
これは、「僕らはSNSでモノを買う」の著者、飯高悠太(高ははしごだか)氏が生み出したものです。
最初のステップは、企業のSNS公式アカウントを使って投稿や広告配信することで、それに対し「いいね!」が付きます。
続いて、その商品やサービスに興味を持った人がSNS検索を行ったり、
GoogleやYahoo!での検索を行います。
それで評価して、良ければ購買します。
商品やサービスを使ったユーザーは、自分が使った感想などを投稿したり、
満足すれば企業の投稿をシェアします。
そして、それがどんどん広がると、自社投稿がなくてもサイクルが自動的に
回るようになります。
「ULSSAS(ウルサス)」では、このSpread(拡散)ができるかどうかが
大きなポイントです。
自社が良い商品やサービスに加えて、気の利いた投稿や有益な投稿を続ければ、良質なフォロワーを抱えることも可能です。
そうなれば、コストを大きく掛けなくても、拡散の好循環を生む可能性も
期待できるのです。
これは医薬品マーケティングでも応用可能でしょうか?
医療従事者向けのマーケティングでは閉じた世界でないと難しいかもしれませんが、疾患啓発やDTCマーケティングなら応用できます。
フェイスブックやツイッターへ疾患に関する有益な情報を発信することで、
コメントがついたりシェアが生まれます。
実際、弊社が支援しているある疾患のフェイスブックでは、
「いいね!」だけでなくユーザーコメントが付くこともあります。
まだ試行錯誤していますが、有益なコンテンツには確実にユーザーの反応が
あることがわかりました。
これからのSNS時代のDTCマーケティングでは、「ULSSAS(ウルサス)」を
意識することが大切ではないでしょうか。
このコンテンツが、医薬品マーケティングのアイデアのヒントになれば幸いです。