ウェブマーケティングにも活用可能!VAKモデルとは?

さて、今回はVAKモデルを取り上げます。

人の五感は視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚ですが、このうち、触覚・味覚・嗅覚を身体感覚として1つにまとめ、3つにしたのがVAKモデルで、

V(Visual)=視覚
A(Auditory)=聴覚
K(Kinestic)=身体感覚

を意味しています。

これは、NLP(Neuro-Linguistic Programming=神経言語学的プログラミング)という心理学で活用する代表的なモデルです。

NLPは、元々は欧米を中心にセラピー(心理療法)の分野で急速に広まりました。効果を実証するにはエビデンスが不十分と言われる一方で、ビジネスコミュニケーションやコーチング、スポーツの世界などでも幅広く活用されています。このNLPの代表的なモデルがVAKモデルです。

その基本的な考えは「VAKのどれが強いか、どの感覚を強く感じるかは人によって異なる。そのため、VAKの優位性を把握しておくことで、コミュニケーションが円滑になる」というものです。

たとえば、

・視覚優位の人は、ビデオなど目で見て学習すると効果的
・聴覚優位の人は、オーディオ学習など音声で学習すると効果的
・身体感覚優位の人は、身体を動かす学習が効果的

と言われています。

また、自分がコミュニケーションする相手が、VAKのどれが優位かを知っておけば、円滑にコミュニケーションすることができます。

・視覚優位の人には、動画や写真など使って説明すれば、効果的
・聴覚優位の人には、じっくり話をすることが効果的
・身体感覚優位の人には、商品や説明したいものを触ってもらうなど、実体験し
てもらうことが効果的

と言われています。

実際にVAKを意識したコミュニケーションを行うのは、NLPを習得しなければ難しく、トレーニングを受けないまま、1対1のコミュニケーションに活用するのは無理がありそうです。しかし、医薬品マーケティングでも、VAKを意識してウェブマーケティングに取り入れることは可能です。

コンテンツは、動画や音声を組み込むことで、視覚有意、聴覚優位な医療者にとって効果的になります。また、インタラクション型で、手を動かしてもらえるようなコンテンツを取り入れれば、身体感覚が優位な医療者にとって効果的です。

もう1つは、文章にもVAKを意識することです。たとえば、次のような文章があります。

「ステーキのジューッと焼ける音が鉄板から聞こえてきました。肉の断面は、焼く前には血の滴るような真っ赤だったものが、ほのかなピンクに変わり、一層おいしそう。横に添えられた濃いオレンジ色のニンジンと真っ赤なパブリカが花を添えています。一口食べると、舌がとろけるようで、肉の旨みが口の中一杯に広がっていきました。」

という文章で、

「ピンク、オレンジ、真っ赤」は、視覚優位の人を意識した言葉

「ジューッ」は、聴覚優位の人を意識した言葉

「血の滴る、舌がとろける、口の中一杯に広がる」という表現は、身体感覚優位の方を意識した言葉です。

医学や疾患啓発の情報発信ではこの文例ほど簡単ではないと思いますが、可能な範囲でVAKを意識することで、少しでも多くのインパクトを与えられる可能性が高くなると思います。

昨今、殆どの製薬企業様がウェブマーケティングを展開されている中では、ちょっとした工夫の積み重ねが大切ではないでしょうか。