さて、今回のテーマは、「ビジュアルIVR」です。
医療の世界でIVRと言えば、「Interventional Radiology」のことですが、
今回のIVRは、「Interactive Voice Response」つまり「自動音声応答システム」のことです。
コールセンターで利用されるIVRは、
説明書やWeb上には「よくある質問(FAQ)」などを載せて、
ユーザーが自分で操作を行えるような設計にしています。
しかし、音声ガイダンスだけでは、自分で解決できずコールセンターに
問い合わせてくるケースがまだまだ多い状況です。
そんなIVRをビジュアル化してわかりやすく見せることで、
ユーザーが問い合わせ無しで問題を解決することを目指すシステムが、
ビジュアルIVRです。
音声ガイダンスだけのIVRでは、
●目的のメニューにたどり着くのに時間がかかる
●途中でオペレーターへの転送を選ぶことが増える
●目的を果たせず、あきらめて電話を切る
などの問題があります。
そのため企業は、それに対応するためにコールセンターに
人材を確保する必要があります。
しかし、採用が難しかったり、人件費も上がるという問題を抱えています。
そんな問題を解決するには、ユーザーが自己解決して
コールセンターへの電話を減らしてもらえることが必要です。
そんな問題の解決手段がビジュアルIVRです。
ビジュアルIVRには、他のメリットがあります。
ビジュアルIVRでもユーザーがコールセンターへ電話した場合でも、
ユーザーのタップ状況が解析できることです。
コールセンターでは、タップの経過でユーザーがどこまでわかっているかを
把握できるので、問題の早期解決が可能です。
また、タップ状況を分析することで、ユーザーがつまずきやすいポイントが
わかるので、サービス改善にもつながります。
そんなメリットのあるビジュアルIVRですが、
従来は専用のスマートフォンアプリのインストールが必要でした。
そのため、導入やユーザーの利用が進んでいませんでした。
しかし、最近では専用アプリが不要なものも登場しています。
今後、ビジュアルIVRの仕組みが進化すれば、
医薬品企業のコールセンターでも活用が増える可能性もあります。
さらに、医療従事者向けでも自社製品のFAQやエビデンスなどを
IVRで提供ができるようになる可能性もあります。
本来のウェブのメリットは、「インタラクション」なので、
動画や通信の技術の発展がこのポイントを大きく変える可能性があります。
それを応用すれば、医薬品マーケティングも進化する可能性が高まりますね。
このコンテンツが、医薬品マーケティングのアイデアのヒントになれば幸いです。