今回、Webビーコンを取り上げます。
Webビーコンとは、Webページやhtmlメールに埋め込まれた、小さなサイズの画像によって、それを閲覧したユーザーのアクセス情報を把握する技術です。
例えば、htmlメールにGif形式の画像を埋め込みます。そうすると、そのメールを表示する際に画像データを取得するため、サーバーへのアクセスが発生します。
このアクセス情報を解析することで、どのメールが、どこで、どう見られたかが解析できる仕組みです。
プライバシーに敏感な人からは、嫌われたり、問題視されたりしていましたが、最近では、ウェブの主体者が、それを使っていることを利用方針や利用条件になどで開示し、予め告知の上、ユーザーのパーミション(同意)を得るケースも増えています。
例えば、Yahoo!Japanでは下記のような記載があります。
http://docs.yahoo.co.jp/docs/info/terms/pixels.html
Webビーコンによって取得できる情報は、
IPアドレス、プロバイダホスト名、閲覧時刻、閲覧時間、閲覧したURL、リファラー(そのページの参照元)などです。
一方、ユーザーのメールアドレスや氏名などの個人情報までは取得できません。
Webビーコンのメリットとしては、
・画像を貼り付けているページが表示される毎に解析データをサーバーに送信するため、リアルタイムにアクセス解析が可能。
・ウェブページやhtmlページにタグを貼るだけなので導入が容易。
・別サーバ等、複数のドメインを利用している場合でも、アクセス分析が可能
などがあります。
医療従事者向けのウェブサイトで、会員制として予め個人情報が取得されているなら、解析にWebビーコンはあまり必要性はありません。
しかし、患者向けの疾患啓発サイトなどは、登録なしでオープンに閲覧が可能な場合が殆どです。
そうした場合には、医薬品マーケティングでも、分析手法の1つとして活用可能です。
こうした解析技術の進展や普及によって、ますますウェブマーケティングが精緻化されていきそうです。
その点では、Webビーコンなどのアクセス解析の方法論を、ある程度知っておくことが必要ではないでしょうか。