さて、今週はプレゼンテーションや交渉術などを学ぶ際に、必ず登場する言葉「WIIFY」を取り上げます。
今月、プレゼンテーションのスキルアップトレーニングのプロジェクトに多く携わっているので、毎週のように、この言葉を聞いています。
医薬品マーケティングやMRのディテールでも、知っておくと役立つ言葉だと思いますので、今回「WIIFY」を取り上げることにしました。
WIIFYとは「What’s in it for you?」の頭文字を並べたもので「ウィッフィー」と呼びます。
これは「今からプレゼンテーションあるいは交渉を行うにあたって、
『相手にとってこの内容、話はどんなメリットがあるか?』
『この話を聞いて得られるものは何か?』
を、プレゼンターはを常に意識すべきである」とういことを肝に命じましょうという意味で、「プレゼンには必ず『WIIFY』を入れましょう!」などと言われます。
プレゼンテーションのトレーニングでは、トレーナーから「あなたの話のWIIFYは何ですか?」などと突っ込まれます。
WIIFYを意識することは「話やストーリーを考える際に、相手にとってのメリットが何かを意識することができる」ことです。
もう1つは、プレゼンテーションや話の冒頭で「相手にとってのメリット」=「話を聞いて受け取るもの」を話すことで、相手のアンテナがオンの状態になりやすい、つまり、「聞くぞ!」という状態になりやすいというメリットもあります。
実際、プレゼンテーションのスキルアップトレーニングで、トレーナーの指導を受ける前の状態で、受講者が冒頭に「WIIFY」を話さずにプレゼンテーションを実施する場合と、トレーナーの指導を受けて、冒頭で「WIIFY」を話してからプレゼンテーションを実施する場合を比べれば、明らかに後者の方が「聞こう」という気がするのを実感します。
これは、MRが医師の製品のディテールをする場合でも同様だと思います。
「この製品の作用機序は・・・・で、薬理は・・・、そして有効性は・・・、安全性は・・・」
と話をするよりも、
「今回の話をお聞きいただくことで、先生には●●な状態の患者さんへの製品Aの使い方のポイントをご理解いただければと考えています。」
などのように、今から始めるディテールで医師に何が伝わるか、つまり、医師が得るメリットを先に伝えることで、聞いていただける確率が高まります。
プレゼンテーションは、その語源「プレゼント」が示すとおり、相手のためのものです。
ディテールも、最終的には、患者さんへのより良い医療がなされることが目的ですから、患者さんや先生のためのものです。
その観点から、医薬品マーケティングにおいても、ディテール資材などを作る際に、WIIFYを意識することが大切だと思います。
医薬品のディテールのストーリーやメッセージの組み立ても、WIIFYを意識してみてはいかがでしょうか。