- さて、今回の用語は「YouTube」です。
年始にPanasonicが発売するテレビに「YouTube」再生機能が追加されるというニュースがありました。また、1月24日にはNTT DoCoMoの携帯電話で「YouTube」が閲覧できると発表されました。
このように様々なニュースで取り上げられている「You Tube」なので、よく耳にされる名前ではないでしょうか?「YouTube」とは、”Broadcast Yourself.”というキャッチコピーで人気の、世界最大の動画共有ウェブサイトです。
「動画共有」とは、耳慣れない言葉かあもしれませんが、自分で撮影した動画を世界中に配信・公開することができるウェブサイトです。「YouTube」上では、誰もが自分で撮影・編集した動画をアップすることができます。また、その動画を、誰もが閲覧できます。
さらに、その動画について、コメントを書き込むことまでできるようになっています。
多くのコメントが残された動画は、人気の動画としてランキング発表され、その結果、多くの閲覧者が訪れ、ウェブ上で話題となりさらに広まっていくケースも少なくありません。それでは、実際に「YouTube」をみていただきましょう。
You Tubeでは、短いものでは数秒から、長いものでは10分程度のものまで、様々な動画を見ることができます。
動画を配信・公開することは、これまでメディアと多額の費用が必要なことから、マスコミや映画会社しかできなかったことでした。
それを、小型の動画撮影用のカメラが一台あれば、誰でもできるようにしたのが「YouTube」なのです。オープンしたのは3年前の2005年2月でしたが、開設してすぐに話題となり、玉石混交の動画が数多くアップされました。
話題となった動画にAppleのCMをモチーフにした、アメリカ大統領選挙に関するものがあります。これは、制作者不明ですが、すでに400万回以上再生されています。
Vote Differentさて、この「YouTube」は、2006年10月にはGoogleに買収され、現在、1日に35,000件もの動画がアップされています。
動画をアップした人の中には、テレビCMへ出演した、レコード会社との契約が成立した、といった例も出ています。
また、多くの視聴者がいることから、テレビCMより安価な広告媒体として、コマーシャルをアップする企業も出現しています。
「メガネストアー」のプロモーションCMしかし、一方でテレビ番組をそのままアップする、などの著作権を無視した行為も散見され、今後著作権などに関連する訴訟問題の可能性も指摘されています。
「YouTube」は、これまで特定の人たちだけに独占されてきた「動画」の配信・公開を一般の人に開放し、既存のメディアに匹敵するほどの影響力を持つようになった「Web 2.0」の象徴的なウェブサイトですが、同時に著作権に伴うウェブの問題も残しています。
さて、「YouTube」ですが、ブランド広告をできない日本では、医療従事者向けの医薬品マーケティングに利用することは難しいでしょう。
一方で、一般の医療消費者向けなら、疾患啓発の動画をアップするといった、方法が考えられます。また、「共有」「オープン」「開放」といったYou Tubeのコンセプトを応用して、次のようなこともできるかもしれません。
・手術の様子を撮影した動画を共有し、手術の内容についての意見交換をしていただく
・診察時のアドバイスや服薬指導のコツを音声でアップし、それに別の医師からアドバイスが追加されるこれからは、ウェブで情報を共有し、よりよい内容に変えていく、という「集合知」の考え方が、医療の世界でも活発化する可能性があります。
「Web 2.0」時代には、こうした「情報の共有」をおこなえるウェブ上のメディアを活用する知恵やノウハウが、医薬品マーケティングであっても求められるでしょう。
「YouTube」のコンセプトや仕組みを参考に、自社のウェブマーケティングにおいて、「情報共有」の仕組みについて検討されてみてはいかがでしょうか。